01
自己紹介
Self-Introduction Hello!
自己紹介 神戸市紹介 対応(初期) アプリ開発 アプリ展開 まとめ
自己紹介
小阪 真吾
企画調整局
デジタル戦略部
システム導入相談や庁内テック
コミュニティの運営等を担当。
本プロジェクトではアプリ開発
(主にカスタマイズ)を担当。
小寺 有美香
西区保健福祉部
保健福祉課
3月まで保健所の感染症担当。
予防啓発や、患者さんの支援、
感染拡大を防ぐ取組みを実施。
本プロジェクトでは現場の代弁
者。
Our Town!
02
神戸市の紹介
Introduction to Kobe
自己紹介 神戸市紹介 対応(初期) アプリ開発 アプリ展開 まとめ
神戸市の紹介
Meriken Park Kobe Beef
Here!
03
神戸市の新型コロナへの対応(初期)
Response to COVID-19
Virus!
神戸市の新型コロナへの対応(初期)
自己紹介 神戸市紹介 対応(初期) アプリ開発 アプリ展開 まとめ
神戸市の保健所の体制
保健所 保健センター
誰が設置
するの?
都道府県・指定都市・など、
地域保健法に定める自治体
市町村が設置できる
何してるの?
• 難病・精神保健に関すること
• 結核・感染症に関すること
• 薬剤師・調剤・医薬品に関すること
• 食中毒に関すること
• 各種営業許可・指導(飲食・理美容・
クリーニング・旅館・墓地など)
など
• 母子手帳の交付
• 乳幼児健診
• 病気の予防・健康増進のサポート
など
神戸市は指定都市なので設置 神戸市では10箇所設置
住民の健康を支える広域的・専門的・
技術的拠点
住民に身近で利用頻度の高い保健
サービスを提供
コロナ発生以前~コロナ発生初期の対応
医療機関
発生届を作成
FAXで
送信
保健所(市役所)
発生届をExcelに転記
PDFにスキャン
Excelデータから
プレス資料・統計資料を作成
PDFをファイル
サーバーで共有
患者管理用のExcelに転記
ヒアリング等を実施
保健センター(区役所)
※市内10箇所
1 2 3
(2020年時点)FAXで送られる発生届を保健所や各保健センター
が別々にデータ化し、独自の方法で管理・活用していた
※実際は様々なやりとりが双方向で
生じるためもっと複雑(次頁)
コロナ発生以前~コロナ発生初期の対応
保健所・保健センターの情報が点在
→ 区間異動や入院調整などにより生じる
患者情報の共有に膨大な時間と手間が
形式が揃っておらず
重ねて分析できない
通常業務もある
例)新生児訪問、乳幼児健診、児童
虐待対応、高齢者の健康促進など
1 2
3
厚生労働省
の提供情報
保健課の
保有情報
B保健センター
の保有情報
A保健センター
の保有情報
情報共有や分析に課題を抱えながらも、
通常業務と並行し試行錯誤しながら対応を続けた
保健所
B保健センター
A保健センター
コロナ発生以前~コロナ発生初期の対応
第1・2波(2020/3/3
~9/23)
1日最大 23件
第1,2波合計 966 件
第3波(2020/9/25
~2021/2/28)
1日最大 139件
第3波合計 5,101 件
データ化・業務改善を行うも、患者数増加で対応が追い付かない状況に
→ 2021年4月 状況の改善に向け、保健所×情報部門の共闘がスタート
04
Develop the app
患者管理アプリの開発
Achoo!
自己紹介 神戸市紹介 対応(初期) アプリ開発 アプリ展開 まとめ
草の根活動の継続と成功事例の積み上げにより
業務改善文化の醸成とナレッジの蓄積が進んでいた
なぜkintoneを選んだのか
kintoneの利用を10ユーザーから開始
庁内テックコミュニティ(Kobe Tech Leaders)立ち上げ
セミナー開催、チャットルームやもくもく会での職員間の学び合い
職員がkintne AWARD出場
本運用アプリ数:400以上、ユーザー数:1,700超(2ドメイン)
2018.4
2019.10
2023.4
神戸市のkintone活用のあゆみ
2020.11
職員向けセミナー
もくもく会・相談会
職員のAWARD出場
私たちの強み 抱えていた課題
なぜkintoneを選んだのか
既存のパッケージシステムでは
求める機能を全て備えていなかった
変化し続ける業務フローに対応できる
柔軟なシステムが必要だった
kintone活用のナレッジが
蓄積されていた
内製でkintoneアプリを開発することで対応できると判断
短期間の開発や柔軟な変更に対応できるようスクラム開発を行うことに
スクラム開発に挑む
保健所 情報部門
要望
開発・運用
立ち上げフェーズの体制
情報部門内でkintoneやシステム開発に詳しい職員によるチームを編成
保健所の職員からの要望・フィードバックを得ながら開発
スクラム開発に挑む
コミュニケーションをこまめに行いながら進捗管理・作業分担を行った
スクラム開発とは
日々の作業
レビュー 公開
作業を細かく区切り、リリース
を繰り返し行う手法
朝会の実施
その日に取組むこと、今の困り事を共有・相談
タスク・アプリの管理をkintoneで行う
案件管理アプリ:要望や課題、対応経過等の管理
アプリ管理アプリ:アプリ概要、変更履歴等を管理
コミュニケーションツールの活用
リモートワークや他業務と並行して対応する中で、
非同期的な情報共有や、Web会議を駆使
こんなことをやっていました(一例)
保健所・保健センター業務のアプリ化
開発範囲を絞ることで、集中的に開発し、素早くリリース
×3
×10
保健所
保健所
保健所
保健センター
保健センター
Step 1
Step 2
Step 3
保健所から先行導入
一部の保健センターで試行利用
全ての保健センターで利用開始
フェーズを分け素早くリリースできるよう工夫
発生届をkintoneに入力
(複数人で入力が可能に)
統計・広報資料をExcelの
PowerQueryで出力
保健所・保健センター業務のアプリ化
データ管理や統計・広報資料への活用といった改善に繋げつつ
効率化・自動化により作業時間の短縮も実現
まずは保健所(本庁)の業務をアプリ化
Step 1
そして保健センター(区)の業務をアプリ化・試行利用
Step 2
情報部門
本庁用マスタの情報を同期することで一意化を図り、転記も不要に
区の業務を整理するもフォームの数はほぼ500(1アプリの上限)に
本庁用マスタ
区用マスタ
①患者登録
②登録時に自動で同期
③保健センターは区用マスタを更新
保健センター用アプリのイメージ
3つの保健センターに情報部門が直接ヒアリング
A保健センター B保健センター C保健センター
保健所・保健センター業務のアプリ化
保健所・保健センター業務のアプリ化
患者氏名での検索機能 アプリ間の同期
区用マスタ
①患者登録
②同期
本庁用マスタ
同時編集制御
本庁用マスタ でAさんを編集中
区用マスタ でAさんを編集しよう
とするとアラート
(カスタマイズの一例)
当初は標準機能のみを使用する前提で構築するも、
使い勝手を重視し、カスタマイズにも着手
保健所・保健センター業務のアプリ化
A区
A区の患者のみ
閲覧・編集可
利用職員
400名以上
職員の所属・担当業務等でグループ分けし、閲覧・編集権限を制御
所属間の患者情報の引継ぎはアプリ内での設定変更のみで可(情報共有の効率化)
B区
B区の患者のみ
閲覧・編集可
本庁
全区の患者を
閲覧・編集可
保健所・保健センター業務のアプリ化
05
患者管理アプリの全市展開
Launching the app
Together!
自己紹介 神戸市紹介 対応(初期) アプリ開発 アプリ展開 まとめ
患者管理アプリの全市展開
各区向けの事前説明会(ウェビナー)
全区で利用開始
→ 質疑応答や不具合報告は
チャットルームやWeb会議で対応
追加機能の説明会(ウェビナー)
第6波到来(オミクロン株拡大)
全区利用開始
神戸市における新型コロナウイルス新規感染者数の推移
第6波 第7波
(神戸市HPより)
患者急増
2021.10
2011.11
2021.12
患者が急増した第6波(2022.1)までに全区の職員が利用できる状況に
2022.1
全区で一斉に利用を開始
Step 3
患者管理アプリの全市展開
スクラムにより頻繁な機能改善・機能追加を実現
→月100件以上の機能改善・新機能リリースにより患者の急増に対応
年月 運用保守※ 新規対応 主な新規対応内容
11月 58件 8件
12月 53件 27件 入院調整アプリ追加・オミクロン株対応
1月 94件 27件 電話でのヒアリングのオンライン化(後述)
2月 120件 45件 フォローアップセンター開設対応・電子公印対応
3月 35件 20件
※要望・不具合・運用課題への対応
全市展開後の対応件数
追加の機能・カスタマイズが多数発生
→ 影響範囲増、技術難度UP
地元ベンダーに開発・保守を委託
→ クオリティUP
患者管理アプリの全市展開
運用フェーズ後の体制
契約・要望
開発・運用 地元ベンダー
サポート
後々振り返ると、
(内製) 〇 : 円滑なコミュニケーションが可能
△ : 技術レベル・リソースに限界あり
(外注) 〇 : 高いクオリティ
△ : 内情の把握
コミュニケーション面に限界あり
保健所
情報部門
運用フェーズへの移行と併せて外部委託
内製・外注のメリット・デメリットを実感
内製から外注へ
電話でのヒアリングをオンライン化
患者管理アプリの全市展開
次々とアプリを追加(一例)
フォームブリッジ
区用マスタ
質問受付アプリ
①患者が
直接入力 ④患者の紐付け(手動)
③自動返信メールで
療養関連情報を送信
②登録
⑤残る項目のみ
ヒアリング
感染状況に合わせて患者マスタを中心に据えたアプリを次々と開発
職員だけでなく、患者・医療機関の負担も軽減
発生届をオンライン化
発生届受付アプリ
フォームブリッジ 本庁マスタ
①入力 ②登録 ③複写
06
kintoneがもたらしてくれたこと
Effectiveness verification Health!
自己紹介 神戸市紹介 対応(初期) アプリ開発 アプリ展開 まとめ
kintoneがもたらしてくれたこと
入力の効率化
同じ情報を二度以上入力しなくて
よくなった
情報共有の効率化
患者の設定変更で引継げるように
(従前は1時間)
データ分析への活用
全市の傾向分析や、他の情報との
重ね合わせが可能に
柔軟な変更・拡張
情勢の目まぐるしい変化に迅速
かつ柔軟に対応
kintoneの「ここが助かった」ポイント
予測不可能な状況に柔軟に対応しつつ、情報共有や分析などの課題を解決できた
• 他の保健師業務の改善にもkintoneを活用したいという声が
• 「仕事観・世界観が変わった」
kintoneがもたらしてくれたこと
とある保健師
最初は、kintoneって何?よくわからんし、使いづらいし、
エラーも出るし、みたいな感じやったけど、
今はすごく便利。ないと困る!
職員の考え方にも変化が
kintoneがもたらしてくれたこと
全員で、全力で走り抜けた経験は
間違いなく多くの人の糧になる
それぞれの振り返り
大変な3年間だったけど、
新しい世界が見えてきた
Thank you!

現場と情シスが全力で駆け抜けた1160日 コロナ対応の舞台裏