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Chunked encoding を使った高速化の考察
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chunked encoding
を使った高速化の考察
東京Node学園26時限目 2017/6/28
渋川よしき
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新刊でました!
■ 初版を買うなら今がチャンス!今すぐ本屋へ
■ ブラウザなどの通信まわり(JSとかCSSを
除く)のいろいろなトピックを思いつく限り
集めました
■ ブラウザ(利用者)視点で説明するようにして
います。
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■ ウェブ系の話題で、
「だよねーわかるわかる…」
と分かったふりをしたことがある人に
オススメ!
■ アニメについて詳しくなりたい人は
弊社のハッカドールをご利用ください
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今日の発表はReal World HTTP
を読んでいる前提で進めます
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Mithril 0.2.x
■ 少ないAPI
■ 小さなダウンロードサイズ
■ 仮想DOMを使った高速な描画
■ イベントハンドラと通信のコールバックを活用した描画タイミング制御
- 11. Copyright © DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Mithril 0.2.x : 21関数、2プロパティ
■ コア
⁃ m()
⁃ m.component()
⁃ m.prop()
⁃ m.withAttr()
■ ラウティング
⁃ m.mount()
⁃ m.route(elem, defualt, routes)
⁃ m.route(path, params, replaceHistory)
⁃ m.route()
⁃ m.route(element)
⁃ m.route.mode
⁃ m.route.param
⁃ m.route.buildQueryString()
⁃ m.route.parseQueryString()
■ データ
⁃ m.request()
⁃ m.deferred()
⁃ m.sync()
■ HTML
⁃ m.trust()
■ レンダリング
⁃ m.render()
⁃ m.redraw()
⁃ m.redraw.strategy()
⁃ m.startComputation()
⁃ m.endComputation()
■ テスト
⁃ m.deps()
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Mithril 1.x : 14関数、2プロパティ
■ コア
⁃ m()
⁃ m.component()
⁃ m.prop()
⁃ m.withAttr()
■ ラウティング
⁃ m.mount()
⁃ m.route(elem, defualt, routes)
⁃ m.route(path, params, replaceHistory)→m.route.set()
⁃ m.route()→m.route.get()
⁃ m.route(element)→m.route.link()
⁃ m.route.mode→m.route.prefix
⁃ m.route.param
⁃ m.route.buildQueryString()→m.buildQueryString()
⁃ m.route.parseQueryString()→m.parseQueryString()
■ データ
⁃ m.request()
⁃ m.deferred()
⁃ m.sync()
■ HTML
⁃ m.trust()
■ レンダリング
⁃ m.render()
⁃ m.redraw()
⁃ m.redraw.strategy()
⁃ m.startComputation()
⁃ m.endComputation()
■ テスト
⁃ m.deps()
■ 追加
⁃ m.fragment()
⁃ m.version
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Mithril 1.xはマジキチ
■ 機能が減った
⁃ 関数の数が21→14
⁃ ファイルサイズも減った
⁃ deferredがES6標準のPromiseに移行
⁃ 描画タイミングコントロールなんて必要なかった
⁃ プロパティは外部に切り出されてちょっとリッチなストリームになった
■ 高速化したらしい
■ 設計のガイドラインからビューモデルが消えた
⁃ ドキュメントからビューモデルの文字が消えさった
■ ライフサイクルメソッドが整理された
■ なお、マイグレーションスクリプトで変換はほぼ自動でいける
⁃ http://mithril-ja.js.org/change-log.html#migrating-from-v02x
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Mithril 1.xを活かす設計
■ 仮想DOMのパフォーマンス・チューニングがしやすく
⁃ 仮想DOMの内部設計がドキュメント化された。コードも読みやすい。
■ コンポーネントは表示に特化
⁃ ラウターリゾルバーを使ってデータ取得をコンポーネントの外に移動で
きるように
■ データ取得部分はモデルに
⁃ ビューモデルの役割もモデルにマージ
⁃ ただ、通信の最適化とかこのあたりは今後革新がありそう
(Mithrilにかぎらず、React、Vue、Riot、Angularとかでも)
■ 終了アニメーション
⁃ ライフサイクルメソッドがPromiseを返せる。終了を遅延できる。
⁃ 0.2.xでは力技で実現するのは大変だった。
- 15. Copyright © DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
ドキュメント(http://mithril-ja.js.org/)は翻訳済み
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本もあるよ!
■ オライリーの電子書籍です
■ 0.2.x準拠
■ 前ページの項目の差分に気をつけながら
お読みいただければ
⁃ ビューモデルもモデルの一部に
⁃ 描画タイミングの制御はなくなった
⁃ モデル取得の司令はラウターリゾルバーに
持っていく方がたぶん良い
■ 精神的な部分は互換性があります!
■ そろそろ改訂したい気持ちがあります
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chunked encoding
を使った高速化の考察
東京Node学園26時限目 2017/6/28
渋川よしき
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Transfer-Encoding: chunked
■ Real World HTTP P119を開いてください
■ Transfer-Encoding: chunked
■ HTTP/1.1で追加された機能
■ ボディを細切れにして転送する
⁃ 最初にContent-Lengthで全体の長さを送らない
⁃ チャンクサイズ(16進数)と、その長さのボディという組を何回かに分
けて送る
⁃ 最後に長さゼロを送ると終了
⁃ ボディサイズを最初に決めなくてもいい
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質問: Transfer-Encoding: chunked
を普段から意識していますか?
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普段は意識しなくてもいい
■ どのプログラミング言語のHTTPクライアントAPIも、勝手に結合してくれる
■ bodyをストリームのようなAPIで読み込むと、場合によってはチャンクごとに
返ってくるかも?
■ 大抵HTTPクライアントを書く時は、JSONとかの細切れにパースできないデー
タが欲しいだろうから、末尾までまるっと読み込みますよね?
- 23. Copyright © DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
SSRは本当に早いのか?
■ SSRを使うと初回ロードが高速になるっていうけど
⁃ 本当に高速なの?
⁃ Node.jsのイベントループに負荷をかけるしスケールするか疑わしい(キ
ャッシュしないと)
■ 最近のウェブのデータ量は大きい
⁃ JSも数100KB
⁃ CSSもでかい
⁃ 画像も多い。全部で数MBはある。
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HTTP
リクエスト
リクエスト
受信
DB
アクセス
HTML
レンダ
リング
HTML
パース
初回表示されるまでの流れ
ファイル
転送
アセット
リクエスト
表示
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HTTP
リクエスト
リクエスト
受信
DB
アクセス
HTML
レンダ
リング
HTML
パース
初回表示されるまでの流れ
ファイル
転送
アセット
リクエスト
表示
表示するにもいろいろ情報を集め
る必要がある
HTMLパースをするまで
必要なJS/CSS/画像がわからない
リクエスト開始が遅い
実際にはここが一番支配
的になるはず
CSS→画像も読み込まな
いと必要なファイルが分
からない
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chunked encodingを使うアイディア
■ HTMLを読み込まないと必要なリソースがわからない・・・
⁃ <script>タグと<link>タグ部分だけ先に読み込ませてしまえばいいのでは?
■ 期待する結果
HTTP
リクエスト
リクエスト
受信
DB
アクセス
HTML
レンダ
リング
HTML
パース
ファイル
転送
アセット
リクエスト
表示
HTML
パース
高速化
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■ 実験してみた:その1
⁃ すみません。Goで書きました。
⁃ HTTP/2を使っています。
⁃ HTMLはまずヘッダーを返し、末尾のコンテンツは4秒後に返した
⁃ リソースはJS、async付きJS、defer付きJS、CSSの4種類を読み込み。サーバ
ー側で、2秒に返信と6秒後に返信の2パターン8通り返してみた
⁃ コードはこちら
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サーバーリクエストはその瞬間に
スタートしている(レスポンスは
サーバー側で2-6秒ブロック)
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スの<script>タグと<link>のスタイ
ルシートの読み込みがブロックに
なっていて、完了すると表示され
る
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■ 実験してみた:その2
⁃ すみません。Goで書きました。
⁃ HTTP/2を使っています。
⁃ HTMLはまずヘッダーを返し、末尾のコンテンツは4秒後に返した
⁃ リソースはJS、async付きJS、defer付きJS、CSSの4種類を読み込み。
サーバー側で、2秒に返信と6秒後に返信の2パターン8通りのうち、6秒間
ブロッキングするJSとCSSを抜いた6パターンでアクセス
⁃ コードはこちら
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ブロッキングするJS/CSSが終わっ
たこの段階(2秒後)で表示が開始
されている(この時点で読み込み
済みのCSSは利用される
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後半のチャンクが到着したら再度
画面更新
window.addEventListener('load')イ
ベントは最後のチャンクまで呼ば
れたら実行される。
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実験成功
■ 先に返したヘッダー部分をパースしてChromeは必要なリクエストを取得した
⁃ chunked-encodingは高速化に使える
■ ドキュメントのロードイベントは全HTMLの読み込みが終わってから実行
⁃ 先にJSをロードしても、documentオブジェクトがまだないので何も表示
もできなかった
■ アセットの種類によって優先度が変わっている
⁃ スの<script>タグだとhigh
⁃ <link>のCSSファイルはhighest
⁃ async/defer付きの<script>タグはlow
■ 優先度が高いアセットはダウンロード完了するまで表示がストップ
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・・・実はHTTP/2では
■ chunked-encodingなんてものはありません→
■ HTTP/2では各ファイルごとにストリームができる
⁃ ストリームは擬似的なTCPコネクション
⁃ ストリームには、データ片がフレームという単位で送信される
⁃ HEADERSフレーム(ヘッダー)やDATAフレーム(ボディ)などがある
⁃ 各ストリームを構成するフレームは終了ビットを立てない限りは同じ種
類のフレームを連続して送信できる
終了ビットの立ってないDATAフレームを断続的に送信することで
chunked-encodingと同じことが実現できる!!!
GoのAPIは同じFlusherインタフェースでHTTP/1.1と2の両対応
RFC 7540 : Section 8.1
HTTP/2 uses DATA frames to carry message
payloads. The "chunked" transfer encoding
defined in Section 4.1 of [RFC7230] MUST NOT
be used in HTTP/2.
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実はこの手法
■ オライリーの続・ハイパフォーマンスWebサイト
にも書いてありました。
⁃ 第12章: ドキュメントのフラッシュ
■ やってみたらHTTP/2でもまだ有効というのが
今回の収穫
■ ダウンロードのアセット間のブロッキングが
当時とは違って行われないことがわかりました
⁃ HTTP/2にすればアセットの順序とか考えずに
トップスピードでダウンロード
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HTTP/2時代のスクリプトの配布は?
■ 分割されたファイルをそのまま配信する方が良い
⁃ ファイル片ごとにキャッシュが効くので二回目以降のメリットが大きい
■ webpack/browserify/rollupとかは不要になる?
⁃ たぶんならない
⁃ tree shakingでファイルサイズ削減はあって損はないはず
⁃ npmとか余計なファイル入りまくりなのでそのままデプロイとか辛い
⁃ 単純にソースコードのままだと、子・孫のファイル取得に時間がかかる
⁃ 途中までは既存のバンドルツールと同じ処理をするが、最後にファイル
結合しないで、必要なすべてのファイルのimport文を並べたエントリー
ポイントスクリプトファイルを生成するようになるのでは?
誰か作って!
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ボディをServer Side Renderingしないアイディア
■ 完全なSPAでは、JSのロードが終わってから、そのJSがサーバーにリクエスト
を送るため、データのロードが開始するのが後ろ倒しになる
⁃ 結果として表示に時間がかかる
■ 前倒しにできないか?
⁃ 完全なHTMLのレンダリングをせずに、インラインJSタグを使ってJSONを
埋めむとか
⁃ あるいは、インラインのスクリプトはCSPでひっかかる可能性があるので
いっそのこと/data.jsみたいなJSを読み込むようにして、そのスクリプト
を動的生成するとか?
• 安全なJSONP
■ SSRが速度に効くというの、JSライブラリがでかすぎただけでは?
⁃ MithrilとかMoon.jsを使えば初回表示も操作開始も爆速にできないか?
⁃ あとはchunked-encodingを使ってJSロードを早めればさらに高速に
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まとめ
■ chunked-encodingでダウンロード速度改善はHTTP/2時代にも有効
■ アセットが巨大化していく時代にあっては効果が大きい
⁃ SSRをして、初回HTML生成までリードタイムが長い場合に
一番効果が大きそう
⁃ SSRしないけど、JSONを埋め込んでSPAの手法で高速化するときも有効
■ chunked-encodingとかHTTP/2のフレームあたりの詳しい説明が知りたい方は
Real World HTTPっていう本に書かれているらしいですよ!