知識創造型学習支援システム iroha Compass
の開発と研究活動への適用
主指導教員 由井薗 隆也
北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科(知識科学)
博士後期課程
三浦 幸太郎
目次
第1章 研究の背景と目的
第2章 関連研究
第3章 知識創造型学習支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の長期利用による分析
第7章 全体考察
第8章 結論
2
関連論文
第3章 知識創造型学習支援システムの設計と開発に関連する論文
査読ありの国際会議での発表(1件)
• Kotaro Miura、 Takaya Yuizono. iroha Compass: Development of a Self-directed Learning Support
System Based on The Progress Principle and Creative Technique、 14th INTERNATIONAL
CONFERENCE on Knowledge、 Information and Creativity Support Systems. 2019.
査読なしの学会発表(2件)
• 三浦幸太郎、 由井薗隆也. 創造技法と進捗管理を用いた自律学習支援システムの提案、 ワークショッ
プ2017 (GN Workshop 2017) 論文集. 2017、 p. 1-6.
• 三浦幸太郎、 由井薗隆也. 進捗の法則と創造技法を応用した自律学習支援システム「iroha
Compass」の開発、 研究報告教育学習支援情報システム(CLE). 2018、 vol. 26、 no. 6、 p. 1-8.
第4章 学習テーマおよび進捗管理機能の評価と結果に関連する論文
査読付きの論文(1件)
• 三浦幸太郎、 由井薗隆也. 知識創造型学習支援システムiroha Compassの開発と研究活動への適用、
日本創造学会論文誌、2022年5月31日投稿、2022年8月21日採録、21ページ.
第5章 アイデアマップ作成機能の評価と結果に関連する論文
査読付きの論文(1件)
• 三浦幸太郎、 由井薗隆也、宗森 純. アイデアマップ作成機能iroha Mapの開発と知的文章作成への適用、
日本創造学会論文誌. 2021、 vol. 24、p. 97-118. 3
第1章 研究の背景と目的
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
4
研究の背景
• 現在、アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)や21世紀型スキルや注目され、
学習の目的が、「知識の獲得」から、「知識創造」へと変容しつつある。
• 現在の学校教育につながる公的な学校教育制度は、産業革命後、工業化社会で必要な人材の
育成を主な目的に、教授主義を基に設計された[Sawyer, 2018]。
• 20世紀終盤に、労働力・生産設備・資金が経営資源となる工業化社会から、知識が重要な経
営資源となる知識社会へと変化[Drucker, 2012]。
• 知識社会では知識の獲得だけでは不十分であり、自ら知識を創り出す人材が求められている
[Paavola & Hakkarainen, 2005]
• 2000年代以降、情報技術の発達に伴いeラーニングが普及し、最近ではタブレットが導入され、
「学習の個性化」や「指導の個別化」が注目されている[文部科学省, 2021]。
• 2020年のコロナ禍以降、オンラインにおける学習支援の必要性が急速に高まっている。
• しかしながら既存の学習支援システムの多くは、知識の獲得を主な目的としており、知識創
造型の学習を支援するシステムの研究が少ない。
• 知識創造型学習を行うには「場」が必要とされ、デジタル空間上の「場」となる知識創造型
学習支援システムが求められている。 5
研究の目的
• 知識創造型学習に適した学習支援システムを設計し、その効果や利用を実証する。
• 知識創造型学習支援システムに関する研究は2000年代から行われているが、従来
研究では、一つの学習テーマに対して複数の学習者が参加する(a)協調学習におけ
る知識創造を中心に検討されてきた。
• 本研究では学習者一人一人がそれぞれ違った学習テーマに取り組み、指導者がそ
れらの学習テーマに参加する(b)自己主導型で個別テーマ型の学習へ適用する。
6
研究の目的
具体的には学習者自身が学習テーマおよび進捗を管理する機能と、創造技法を応用したアイデア
マップ作成機能の2つの主要機能を提案し、当該機能を中心に知識創造型学習支援システム「iroha
Compass」の設計を行う。
設計の実用性を明らかにするために、実際に知識創造型学習支援システムを開発し、評価実験を行
い、次の3つの目的を明らかにする。
(1) 学習テーマおよび進捗管理機能の利用において進捗の頻度、感情、モチベーション、パフォーマ
ンスにどのような関係が生じるかを明らかにする。(第4章)
(2) アイデアマップ作成機能が学習者の知的文章作成へ与える影響を明らかにする。(第5章)
(3) 長期的な個別テーマ型の知識創造型学習において、知識創造型学習支援システムが実際にどのよ
うに活用されるかを明らかにする。 (第6章)
進捗管理機能 アイデアマップ作成機能
7
第2章 関連研究
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
8
関連研究:知識とは何か
西洋哲学における知識
正当化された真なる信念 [Hetherington, 2022]
(JTB : Justified True Belief)
自分自身が信じるもので、かつ社会において正しいと
され、かつ真実であるもの。
情報科学における知識
データ、情報、知識、知恵の4階層で説明 [Jennifer,
2007]。
認知心理学における知識
宣言的知識(Declarative Knowledge)
言葉で説明可能な知識
手続き的知識(Procedural Knowledge)
何かを行うための手順や方法に関する知識
[Stanley & Williamson, 2001]
[Hetherington, 2022]
5:00 / 45:00
9
関連研究:知識創造
知識創造とは
形式知と暗黙知の相互作用によって新たな知識を創り
出すこと。 [Nonaka, 1991]
形式知と暗黙知
形式知:言語で表現できる知識
暗黙知:言語で表現できない知識。
我々は語れる以上のことを知っている[Polanyi, 1997]
SECIモデル
知識創造を共同化、表出化、連結化、内面化の4つの
知識変換のフェーズで説明したモデル [Nonaka, 1991]
知識創造動態モデルと「場」
SECIモデルを円滑に回転させるために必要な「場」を
説明したモデル [Nonaka et al., 2000]。
スパイラルを機能させるためには、具体的な目標であ
る駆動目標が重要 [野中 & 竹内, 2020]。
SECIモデル [Nonaka, 1991]
知識創造動態モデル [野中 et al., 2010]
10
関連研究:知識創造型学習
知識創造型学習とは
他者とアイデアを共有し、対話を通し
てアイデアを向上させる学習 [Paavola
et al., 2004; Hong & Sullivan, 2009; 大﨑
& 大島, 2019]
本研究では「継続的にアイデアを発見
し、向上させる学習 」と定義。
知識創造型学習のベースとなる理論
Nonakaらによる知識創造(1991)
Scardamaliaらによる知識構築(1991)
知識構築と知識創造の比較
本質的には同じものを指している。
しかし学問領域や、ベースとなる認識
論、目的に違いがある。
どちらもアイデアを創造する「場」が
必要である。
知識創造
(Knowledge Creation)
知識構築
(Knowledge Building)
学問領域 組織科学 学習科学
論文の発表時期 1991年 [Nonaka, I., 1991] 1991年 [Scardamalia &
Bereiter, 1991]
著者 野中郁次郎ら Scardamalia, Bereiterら
定義 暗黙知と形式知の相互作用
のスパイラルアップ(SECI
モデル)により、知識を持
続的に創造する。
アイデアを個人から独立した
存在として扱い、アイデアの
理解の継続的な改善を繰り返
し、高レベルの概念を作成す
る。
主な目的 イノベーションや問題解決 目標とプロセス両方を教育に
持ち込む。
元となった認識論 グループによる社会認知プ
ロセス
Popperの認識論 [Popper,
1972]
概念空間 アイデアを創造する場所が
必要
アイデアを創造する場所が必
要
個人と共同体の関係 個人の持つ暗黙知が情報源
でもあり成果物ともなる。
生徒が共同体に貢献すること
を第一の価値とし、個々の生
徒の知識のその次である。
知識創造と知識構築の比較 [Scardamalia & Bereiter, 2016]
11
関連研究:アイデアの向上
アイデアの深さ
アイデアの広さ
アイデアの向上
アイデアの精緻化
アイデアの多様化
アイデアの発想
• アイデアの向上のプロセスはアイデア
の深さとアイデアの広さの二つの次元
で表現できる。
• 思考を深化し、具体的かつ実現性の高
いアイデアへと変換していくことをア
イデアの精緻化という。
• 他者と意見を交換し、新しい視点を取
り入れ、アイデアを変換することをア
イデアの多様化と呼ぶ。
• アイデアの向上は、アイデアの精緻化
とアイデアの多様化を繰り返しながら、
アイデアを向上させるプロセスであり、
このプロセスにゴールは存在しない。
アイデアの向上の進化論的視点 [Hong & Sullivan, 2009]
12
関連研究:知識創造型学習支援システムの先行研究
Scardamalia らの 「Knowledge Forum」 (2004)
• ユーザがコンテンツ(ビューとノート)を作成し、知識の構造化を行う。
• 仮想空間に多様で創発的な活動の場を実現。
• 実際に教育の現場でも多く活用し、研究報告も多数。
由井薗らの「GUNGEN-SECI 」 ( 2007)
• 研究グループにおける知識創造活動を支援するグループウェア。
• 評価実験によって、表出化のみでは得られない新たな知識獲得を支援でき
ることを明らかにしている。
Chootongchai(チュトンチャイ) らの「SECI and Moodle online learning
systems」( 2018 )
• オープンソースのLMS、Moodle をベースに、SECIモデルを適用したオンライ
ン学習システム。
• 評価実験によって、高等教育の学習者の思考力やイノベーション能力を高
めることを明らかにしている。
知識創造型学習支援システムのモデルと評価方法に関する研究
• Chatt らはWeb 2.0 駆動型学習のフレームワークを提示し、SECIモデルに基づ
いたオンライン学習プロセスを提案。(2007)
• 大﨑らは知識創造型学習における個人の貢献を捉えることを目的に、TF-IDF
とSSNAの混合法によるアイデアの可視化の手法を提案。(2019)
13
関連研究:創造技法と深い学び
創造技法
• 問題を創造的に解決するために用いられる技法。
• ギルフォードによると、人間の思考にはアイデアを発散させる発散的思考(divergent
thinking)と、アイデアをまとめ集約化する収束的思考(convergent thinking)が含まれる。
• 発散的思考を行う創造技法としてはブレーンストーミング、収束的思考を行う創造技法とし
てはKJ法が有名。
深い学び
• 獲得した知識を既有の知識・経験と関係づける学習。
• 深い学びを促すには、思考過程や知識と知識のつながりを可視化することが重要[溝上, 2013]。
• 学習者自身がパターンや基礎となる原則を探すこと。学習者自身の理解と学習過程を振り返
ることが重要[Sawyer, 2018]。
創造技法と深い学び
• 教育分野では可視化ツールとして概念マップが使用されている[Novak, 1990]。
• 皆川らは理科教育に概念マップを活用し、概念間の関係把握によってテストの正答率が向上
することが示されている[皆川, 1997]。
• 東本らは概念マップ作成システムを開発し、評価実験において、概念マップの作成により学
習者の誤りが可視化され、学習者の理解が階層化、抽象化されることが示されている[東本 et
al., 2013]。 14
関連研究:自己主導型学習
自己主導型学習(SDL : Self-directed Learning)
• 学習者が固有の目標や課題を設定し、知識とスキルを習得する学習。
• 「メタ認知」「足場かけ」「内発的なモチベーション」が重要。
• (1)課題の定義、(2)目標設定と計画、(3)実行、(4)モニタリングと振り返りという4つのフェーズに
より構成。
メタ認知
• 自分の思考や行動を客観的に認識する能力。
足場かけ
• 一人では達成できない複雑な課題を、より有能な他者との協同的活動による支援によって
達成するという概念。
知識創造型学習との違い
• 自己主導型学習の目的は自ら設定した学習目標を達成することであり、知識やスキルの獲
得に重きが置かれている。
• 知識創造型学習はアイデアの発見や向上を目的としている。
15
関連研究:本研究の位置づけ
物理空間 (アナログ)
仮想空間 (デジタル)
構成主義
(能動的)
客観主義
(受動的)
LMS
伝統的な教育・
学習支援
アクティブラーニング
SDL/SRL
知識創造型
学習
ゲーミフィケーション
総合(探求)学習
SDL/SRL支援シ
ステム
協調学習
グループ型
個別型
ラーニング
アナリティクス
PBL
CSCL
インストラクショナル
デザイン
アダプティブ
ラーニング
知識創造型学習
支援システム
eポートフォリオ
本研究
第1象限
第4象限
第2象限
第3象限
客観主義:教師が教授法に基づいて学習者に体系的な知識を教授するという立場に立った理論。
構成主義:学習者自身が能動的に知識や認識を構築し、教師はその手助けを行うと立場に立った理論である。
16
第3章 知識創造型学習支援
システムの設計と開発
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
17
システムの概要
iroha Compassは、学習者自身が学習テーマおよび進捗を管理する機能とアイデ
アマップ作成機能を中心に設計。
進捗管理機能 アイデアマップ作成機能
知識創造型学習支援システム「iroha Compass」
12:00 / 38:00
18
システムの概要:一般的な学習支援システムとの違い
一般的な学習支援システム
(LMS)
知識創造型学習支援システム
(iroha Compass)
主体 指導者 学習者
学習の目的 知識、スキルの獲得 アイデアの向上
学習態度 受動的 能動的
必要とされる主な機能 • コース/学習コンテンツの作成機能
• 確認テストの作成/実施機能
• 学習コンテンツの閲覧機能
• 学習履歴の分析機能
• 学習テーマの設定機能
• 学習の課題や進捗の登録機能
• 知識やアイデアを整理する機能
• 自身の学習状況を表示する機能
LMSを中心とする一般的な学習支援システムでは、指導者が学習者へ知識・技能を伝達する
ことを主な目的としているが、iroha Compass はアイデアを向上させる場を提供することを
目的しており、搭載されている機能もLMSの機能と大きく異なる。
19
システムのコンセプト:TTPモデル
TTPモデル(Theme, Task, Progress)
The theme
Theme
(テーマ)
Task
(課題)
Progress
(進捗)
☑ Task1 ☑ Task3
☑ Task2
Progress2-1
Progress1-2 Progress3-1
Progress3-2
Progress1-1
Progress2-2
Progress1-3
取り組みたい学習テーマ
学習テーマに沿った学習を進める上で必要
なタスク。
例:先行研究のサーベイ、参考書籍のまと
め、資料の作成、実験、論文の執筆。
課題に取り組むことで発生した成果。
例:テキストによる進捗内容、添付
ファイル、アイデアマップ、アイデ
ア・メモ、コメント等。
iroha Compassでは知識創造型学習における情報を、テーマ(Theme)、課題
(Task)、進捗(Progress)の3つの階層(TTPモデル)で管理。
20
システムのコンセプト:アイデアマップ
概念マップ マインドマップ アイデアマップ
形状
定義 概念間の関係を
トップダウン形式
で示した図
階層化された要素
間の意味もしくは
関係を放射状に示
した図
知識やアイデアを、
カードとリンクと
グループによって
可視化した図
主な機能 1つの主たる概念
を複数の副概念を
用いて体系的な概
念を表現する
あるドメインのサ
ブトピックを創造
的かつシームレス
に表現する
あるテーマに関す
る知識・アイデア
を体系的に表現す
る
主な用途 教室での指導 個人のメモと振り
返り
自身の知識・アイ
デアの整理
読む方向 上から下へ 中心から外へ 自由
• アイデアマップ
• 「知識やアイデアをカードとリンクとグ
ループによって可視化した図」と定義。
• アイデアマップ作成の目的
• 知識・アイデアの整理、(b)思考の深化、
(c)新しいアイデアの発見を支援。
• 思考の深化
• 本研究では「自身のアイデアを実現させ
るために具体的かつ現実的に考えるこ
と」と定義。
21
システムの構成:動作環境
サーバ環境
OS Linux
Webサーバ Apache 2.x
データベースサーバ MySQL 5.1以上
言語 PHP 5.4以上, Python 3.x
フレームワーク CakePHP 2.10
iroha Compass
(Webアプリケーション)
クライアント環境
OS Windows 10以上
mac OS 10以上
iOS 9以上
Android 4.4以上
Webブラウザ Chrome, Firefox,
Safari, Edge
PC
Web
ブラウザ
スマートフォン
Web
ブラウザ
• Webアプリケーションとし
て開発。
• PCやスマートフォンのWeb
ブラウザを用いて利用。
• 開発言語はPHP、Python、
JavaScript。
• 総ステップ数は22,000程度。
(中規模なアプリケーション)
22
システム構成:学習者側の画面遷移
学習者
ログイン画面 進捗一覧画面
学習テーマの設定 課題の登録 進捗の登録
ホーム画面 課題一覧画面
Theme
Task
Progress
Theme
Task
Progress
Theme
Task
Progress
ログイン テーマを選択 課題を選択
23
システム構成:アイデアマップ作成機能 iroha Map
アイデアマップの作成手順
1. アイデアマップ作成画面を開く。
2. 断片的な知識やアイデアを、カード
として追加。
3. カードを任意の場所に配置。
4. リンク機能によってカード同士を結
び付け、概念マップのように知識や
アイデア同士の関連性を示す。
5. グループを追加し、カードをグルー
ピング。
24
システム構成: ワードクラウド自動生成機能
ワードクラウド自動生成機能
• 登録された学習テーマの内容を元にワードクラウ
ドを自動生成する機能。
ワードクラウド
• 単語の重要度によって文字の大きさを変更し、視
覚化する手法。
• 通常ワードクラウドは文章内の頻出単語のみで生
成されるが、iroha Compassでは、TF-IDFの計算
を行うことによって、自身の研究テーマにおいて
特徴的な単語を抽出できるように工夫。
• ただし複数の文章で共通の特徴的単語が多く存在する場
合、共通の特徴的単語の重要度が相対的に低くなる場合
があるため、類似の頻出単語を持つ文章を比較対象から
除外するなどの対応を検討。
TF-IDF
• 複数の文章を用意し、対象となる文章と他の文章
を比較し、対象となる文章の単語の重要度を計算
する手法。
25
第4章 学習テーマおよび進捗
管理機能の評価と結果
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
26
実験の目的と実験方法
個別テーマ型の知識創造型学習において、iroha Compassがどのような影響をもたらすかを質的、
量的両面から分析し、考察を行う。
実験期間 :4週間
実験参加者:由井薗研究室に所属するM1(7名)、M2(3名)の学生合計10名
(内3名はCOVID-19の影響で中国から参加)
使用端末 :Windows タブレットPC、MacBook Pro
• 進捗の登録(更新)
• 研究テーマの
文章、アイデ
アマップの作
成
• 進捗確認アン
ケートの回答
• 研究テーマの
文章の更新
• 進捗確認アン
ケートの回答
1週目 2週目 3週目 4週目
• 研究テーマの文
章とアイデア
マップの更新
• 進捗確認/シス
テム評価アン
ケートの回答
• 研究テーマの
文章の更新
• 進捗確認アン
ケートの回答
• 研究テーマの
文章の更新
• 進捗確認アン
ケートの回答
実験の流れ
初日
最終日
18:00 / 32:00
27
評価方法
1. 研究テーマの文章の質的評価
評価観点:「新規性」「有用性」「実現可能性」「構成と読みやすさ」
ルーブリックを用いて複数人による評価。
評価者間の評価一致度を確認するためにケンドールの一致性の検定を実施。
2. 研究テーマの文章の量的評価
Pythonと自然言語ライブラリMeCabを用い、形態素解析を行い、文章内のユニークな単語数
(名詞、形容詞、動詞、副詞)を算出。
対応のある(群内)t検定を用いて有意差を確認。
3. システム利用状況の量的評価
「システムへのアクセス数」と「進捗の更新回数」を集計。
4. アンケート評価
進捗、モチベーション、感情等を評価する進捗確認アンケート(毎週)
システムの操作性・有用性を評価するシステム評価アンケート(最終日)の内容を集計。
28
評価結果:文章の質的評価の結果
参
加
者
番
号
1回目の文章の評価 *1 5回目の文章の評価 *2 評価の増減
新
規
性
有
用
性
実
現
可
能
性
構
成
と
読
み
や
す
さ
合
計
新
規
性
有
用
性
実
現
可
能
性
構
成
と
読
み
や
す
さ
合
計
新
規
性
有
用
性
実
現
可
能
性
構
成
と
読
み
や
す
さ
合
計
1 2.0 2.0 3.0 2.0 9.0 3.0 3.0 4.0 3.0 13.0 1.0 1.0 1.0 1.0 4.0
2 3.0 3.0 3.0 2.0 11.0 3.0 3.0 3.0 2.0 11.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
3 2.5 2.0 2.5 2.0 9.0 2.5 2.0 3.0 3.0 10.5 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5
4 3.0 2.5 3.0 4.0 12.5 3.0 2.5 3.0 4.0 12.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
5 2.0 2.0 2.5 2.0 8.5 2.0 2.0 1.5 1.5 7.0 0.0 0.0 -1.0 -0.5 -1.5
6 2.0 3.0 3.5 3.5 12.0 2.0 3.0 3.5 3.5 12.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
7 2.0 2.0 2.0 2.0 8.0 2.0 3.0 3.0 3.0 11.0 0.0 1.0 1.0 1.0 3.0
8 1.5 2.0 2.0 2.0 7.5 1.5 2.0 1.0 1.0 5.5 0.0 0.0 -1.0 -1.0 -2.0
9 1.0 2.0 2.5 2.0 7.5 2.0 2.0 2.5 2.0 8.5 1.0 0.0 0.0 0.0 1.0
10 2.0 2.0 2.0 2.0 8.0 2.0 3.0 2.5 2.0 9.0 0.0 1.0 0.5 0.0 1.0
平均 2.1 2.3 2.6 2.4 9.3 2.3 2.6 2.7 2.5 10.0 0.6 0.3 0.1 0.2 0.9
*1…ケンドールの一致係数W=0.84, p値 = 0.00504
*2…ケンドールの一致係数W=0.86, p値 = 0.00328
実現可能性、構成の読みやすさ、新規性、有用性の評価の増減に
ついては、いずれも有意差は見られなかった。
29
評価結果:文章の量的評価の結果
参加者番号 1回目の文章の単語数 5回目の文章の単語数 単語数の増減
1 200 264 64
2 230 323 93
3 343 519 176
4 232 243 11
5 134 63 -71
6 721 745 24
7 200 315 115
8 231 67 -164
9 232 150 -82
10 154 198 44
平均 268 289 21
文章内の単語数の増減についても有意差は見られなかった。
30
評価結果:研究テーマの文章の質の増減と進捗の更新回数の関係
• 相関係数が0.75と強い相関がみられた。
• 無相関検定の結果、有意性がみられた。(t(10)=3.180, p<.05) 31
評価結果:モチベーションと感情の関係
• 相関係数が0.84と強い相関がみられた。
• 無相関検定の結果、有意性がみられた。
(t(10)= 4.388, p<.01)
• 相関係数が-0.68と負の相関がみられた。
• 無相関検定の結果、有意性がみられた。
(t(10)= 2.600, p<.01)
32
評価結果:進捗の頻度とモチベーション、ポジティブな感情の関係
• 相関係数が0.69と相関がみられた。
• 無相関検定の結果、有意性がみられた。
(t(10)= 2.696, p<.05)
• 相関係数が0.65と相関がみられた。
• 無相関検定の結果、有意性がみられた。
(t(10)= 2.609, p<.05)
33
評価結果:操作性と有用性に関するアンケート結果(Q2-1~Q2-8)
質問項目
評価尺度
1 2 3 4 5
Q2-1. 研究テーマの文章の作成、更新は戸
惑うことなくできた。
0人 2人 2人 5人 1人
Q2-2. アイデアマップの作成は戸惑うこと
なくできた。
0人 0人 3人 7人 0人
Q2-3. 進捗やアイデア、メモの登録は戸惑
うことなくできた。
0人 1人 2人 6人 1人
Q2-4. このシステムは自身の研究を進める
上で役立った。
0人 0人 0人 6人 4人
Q2-5. このシステムは知識やアイデアの整
理に役立った。
0人 0人 1人 5人 4人
Q2-6. このシステムは自身の研究について
深く考えること(思考の深化)に役立った。
0人 0人 1人 6人 3人
Q2-7. このシステムは新しいアイデアの発
見に役立った。
0人 1人 3人 3人 3人
Q2-8. このシステムはモチベーションの維
持に役立った。
0人 0人 2人 7人 1人
評価尺度 … 1: 強く同意しない 2: 同意しない 3: どちらともいえない 4: 同意する 5: 強く同意する
太字下線 … モード
操作性
有用性
操作性におおむね問題は見られなかった。また自身の研究を進める上で本システムが役立ったと
10人中10人が回答した。 34
評価結果:各機能の有用性に関するアンケート結果(Q2-9~2-11)
質問項目
研究テーマの
文章作成機能
課題・進捗の
登録管理機能
アイデア・メ
モの登録機能
アイデアマッ
プ作成機能
ワードクラウ
ド自動生成機
能
最近の進捗表
示機能
Q2-9. 知識やアイデアの整理に
役立った機能
4人 10人 6人 5人 5人 5人
Q2-10. 思考の深化に役立った機
能
6人 6人 5人 6人 5人 4人
Q2-11. 新しいアイデアの発見に
役立った機能
2人 1人 3人 3人 3人 3人
Q2-12. モチベーションの維持に
役立った具体的な機能
1人 8人 3人 2人 4人 2人
太字下線 … モード
課題・進捗の管理機能が、知識やアイデアの整理に役立ったと10人中10人が、モチベー
ションの維持に役立ったと8人が回答した。
35
考察
1. 進捗の更新回数と研究テーマの文章の質の増減には強い相関がみられ、進捗の更新回数を
増やすことが、研究テーマの文章の質を向上させる可能性が示唆された。
2. 進捗の頻度とモチベーション、ポジティブな感情に相関がみられ、知識創造型学習におい
て進捗の頻度が重要である可能性が示唆された。
3. ポジティブな感情とモチベーションには強い相関がみられ、学習者のポジティブな感情を
サポートする機能の開発がモチベーションの維持において重要である可能性が示唆された。
4. 研究テーマの文章の単語数および質がいずれも増加したが有意差は確認出来なかった。
理由としては、大学院生の長期に渡る研究活動のうちの4週間という限られた期間で実施したこと、
実験参加者10名のうちM1の2名が実験の途中で研究テーマを変更したこと等が考えられる。
5. 課題・進捗の管理機能が知識やアイデアの整理やモチベーションの維持に役立ったと多く
の実験参加者が回答しており、iroha Compass の中心機能である進捗管理機能の重要性が
示唆された。
36
第5章 アイデアマップ作成
機能の評価と結果
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
37
実験目的と実験方法
手順No 所要時間 内容
1 20分 修士論文のシナリオに関する文章を作成する。
2 20分 iroha Map を用いてアイデアマップの作成(シナリオ
の視覚化)を行う。
3 20分 再度、修士論文のシナリオに関する文章を作成する。
4 20分 操作性と有用性に関するアンケートを実施する。
実験参加者が作成する知的文章において、アイデアマップ作成前と作成後で、文章の
内容に、どのような違いがあるかを質的、量的両面から分析し、考察を行う。
実験参加者 :由井薗研究室に所属するM1(3名)、M2(7名)の学生合計10名
使用端末 :6人はWindows タブレットPC(解像度:1920 x 1080px)
4人はMacBook Pro (解像度:1,680 x 1,050px)
実験手順
1
2
3
25:00 / 25:00
38
評価方法
1. アイデアマップの質的評価
評価観点:「独創性」 「活用性」
ルーブリックを用いた複数人による評価。
2. アイデアマップの量的評価
「アイデアマップのカード数」「グループ数」「グループの深さ」をカウント。
3. 研究テーマの文章の質的評価
評価観点:「新規性」「有用性」「実現可能性」「構成と読みやすさ」
ルーブリックを用いた複数人による評価。
4. 研究テーマの文章の量的評価
「文章の文字数」「ユニークな単語数」をカウント。
5. アンケート評価
システムの操作性・有用性を評価。
39
実験結果:アイデアマップの評価結果
カード数 グループ数 グループの深さ 活用性 独創性 総合評価
参加者1 9 4 1 3.0 2.0 5.0
参加者2 9 4 0 2.0 1.5 3.5
参加者3 4 0 0 1.5 1.0 2.5
参加者4 12 2 2 4.0 4.0 8.0
参加者5 5 0 0 2.5 2.0 4.5
参加者6 5 2 1 3.0 2.0 5.0
参加者7 7 3 1 2.5 2.0 4.5
参加者8 22 7 2 3.5 2.5 6.0
参加者9 6 1 1 1.5 1.0 2.5
参加者10 7 0 0 2.0 1.5 3.5
平均 8.6 2.3 0.8 2.6 2.0 4.5
ケンドールの一致係数W=0.89, p値 = 0.0197
アイデアマップの作成例
アイデアマップの評価結果
カード数の平均は8.6、グループ数の平均は2.3、グループの深さの平均は0.8となった。
カード数は最小が4、最大が22と大きくばらつきがあり、個人差が大きいことが分かった。
アイデアマップの活用の度合いも個人差が大きく、アイデアマップの活用性が2以下の実験参加者4名は、
文章の内容の一部をカード化するだけにとどまった。
40
実験結果:文章の文字数と単語数の前後比較
文章の作成例
文章の文字数と単語数の前後比較
Twitterにおける商品評価検索システムの基礎開発を取り組みたい。今よく
使っている化粧品商品評価比較サイトは@コスメである。@コスメと比べ、
Twitterで掲載された商品評価は「即時性」と「随意性」が高いと考えられる。
利用者は@コスメで商品評価を発表するとき、「誰かに伝えている」と思いが
ちので、その商品評価に偏りが出てしまう可能性が高い。それに対し、
Twitterで発表するとき、誰かに読まれるか否かをよく考えてないので、
Twitterはより本音を言いやすい環境だと思われる。
この検索システムは四つのパターンで構築すると考えている。まず、目標
商品の商品名語群を作ることである。化粧品は正式な発行名はいつも極め
て長いため、顧客はよく知られている化粧品にニックネームをつけることが多
い。商品名語群はブランド、発行名、色の番号、よく呼ばれているニックネー
ムを全て含む。それで、検索キーワードからどの商品を指すのかを確定しや
すくなる。次に、検索したレビューをdatabaseで保存し、事前データー処理を
行う。それから、@コスメで実際掲載された商品評価を収集し、評価辞書を作
成する。評価辞書は次の四つの点から考察する、キーワード、特徴語、程度
語、否定詞の有無である。その後、保存したレビューを評価辞書を基づいて
自動スコアリング処理する。最後は、処理したレビューをスコアで並べ検索結
果ページを生成する。
この検索システムができれば、利用者に信頼度が高い商品評価を獲得で
きる環境を提供することができることを期待される。
取り組みしたいテーマはTwitterにおける商品評価検索システムの基礎開発
である。
研究背景:今よく使っている化粧品商品評価比較サイトは@コスメである。
@コスメと比べ、Twitterで掲載された商品評価は「即時性」と「随意性」が高
いと考えられる。利用者は@コスメで商品評価を発表するとき、「誰かに伝え
ている」と思いがちので、その商品評価に偏りが出てしまう可能性がある。そ
れに対し、Twitterで発表するとき、誰かに読まれるか否かをよく考えてない
ので、Twitterはより本音を言いやすい環境だと思われる。
研究内容:この検索システムは四つのパターンで構築すると考えている。ま
ず、目標商品の商品名語群を作ることである。化粧品は正式な発行名はい
つも極めて長いため、顧客はよく知られている化粧品にニックネームをつけ
ることが多い。商品名語群はブランド、発行名、色の番号、よく呼ばれている
ニックネームを全て含む。それで、検索キーワードからどの商品を指すのか
を確定しやすくなる。次に、検索したレビューをdatabaseで保存し、事前デー
ター処理を行い、複数回現れるものと意味がないテキストを削除する。それ
から、@コスメで実際掲載された商品評価を収集し、評価辞書を作成する。
評価辞書は次の四点から考察する、キーワード、特徴語、程度語、否定詞の
有無である。その後、保存したレビューを評価辞書を基づいて自動スコアリン
グ処理する。最後は、処理したレビューをスコアで並べ検索結果ページを生
成する。
研究の特徴:ソーシャルメディアの別種類が持つ特徴の区別を研究し、応
用することとソーシャルメディアで掲載されたテキストを活用することが特徴
である。
期待される成果:この検索システムができれば、利用者に信頼度が高い商
品評価を獲得できる環境を提供することができることが期待される。
アイデアマップ作成前の文章 アイデアマップ作成後の文章
文字数* ユニークな単語数**
新規単語数
利用前 作成後 増減 作成前 作成後 増減
参加者1 562 714 27.0% 117 145 23.9% 28
参加者2 531 809 52.4% 98 134 36.7% 51
参加者3 572 648 13.3% 121 133 9.9% 18
参加者4 622 741 19.1% 122 143 17.2% 22
参加者5 725 632 -12.8% 57 59 3.5% 4
参加者6 380 633 66.6% 84 134 59.5% 53
参加者7 750 1138 51.7% 112 148 32.1% 37
参加者8 1192 1334 11.9% 194 214 10.3% 21
参加者9 436 441 1.1% 106 107 0.9% 1
参加者10 361 364 0.8% 61 61 0.0% 1
平均 613.1 745.4 21.6% 107.2 127.8 19.2% 23.6
対応のある(群内)t検定 *: p<0.05, **: p<0.01
個人差はあるものの平均22%程度、文章の文字数が増加し、有意差がみられた。
ユニークな単語数についても平均19%程度、単語数が増加し、有意差がみられた。
41
実験結果:文章の質の比較
参
加
者
番
号
アイデアマップ作成前の
文章の評価 *1
アイデアマップ作成後の
文章の評価 *2
アイデアマップ作成前と作成後の
評価の増減
新
規
性
有
用
性
実
現
可
能
性
構
成
と
読
み
や
す
さ
合
計
新
規
性
有
用
性
実
現
可
能
性
構
成
と
読
み
や
す
さ
合
計
新
規
性
有
用
性
†
実
現
可
能
性
*
構
成
と
読
み
や
す
さ
*
合
計
**
1 3.0 3.0 3.0 2.5 11.5 3.0 3.5 3.5 3.0 13.0 0.0 0.5 0.5 0.5 1.5
2 1.5 2.0 1.0 1.5 6.0 2.0 2.0 2.0 2.0 8.0 0.5 0.0 1.0 0.5 2.0
3 2.0 2.0 1.5 2.5 8.0 2.0 2.0 1.5 3.0 8.5 0.0 0.0 0.0 0.5 0.5
4 2.0 2.5 2.5 2.5 9.5 3.0 3.0 3.0 4.0 13.0 1.0 0.5 0.5 1.5 3.5
5 2.0 2.5 2.0 2.0 8.5 2.0 2.5 2.0 2.5 9.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.5
6 1.5 2.0 1.5 2.0 7.0 1.5 2.0 2.5 2.5 8.5 0.0 0.0 1.0 0.5 1.5
7 2.0 2.5 2.0 2.5 9.0 2.5 3.0 3.0 2.5 11.0 0.5 0.5 1.0 0.0 2.0
8 3.0 3.0 2.0 3.0 11.0 3.0 4.0 3.0 3.0 13.0 0.0 1.0 1.0 0.0 2.0
9 1.0 1.0 1.0 2.5 5.5 1.0 1.0 1.0 2.5 5.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
10 1.0 1.5 1.0 2.0 5.5 1.0 1.5 1.0 2.0 5.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
平均 1.9 2.2 1.8 2.3 8.2 2.1 2.5 2.3 2.7 9.5 0.2 0.3 0.5 0.4 1.4
*1…ケンドールの一致係数W=0.79, p値 = 0.0122
*2…ケンドールの一致係数W=0.86, p値 = 0.0033
対応のある(群内)t検定:*p<0.05, ** p<0.01, †p<0.1
「実現可能性」と「構成の読みやすさ」、評価の「合計」が増
加しており、いずれも有意差が見られた。
「新規性」、「有用性」については有意差が見られなかった。
42
実験結果:各評価項目の相関分析結果
a b c d e f g h i j
a.文章の新規性の増加 - - - - - - - - - -
b.文章の有用性の増加 0.22 - - - - - - - - -
c.文章の実現可能性の増加 0.34 0.50 - - - - - - - -
d.文章の構成と読みやすさの増加 0.66* 0.00 0.00 - - - - - - -
e.アイデアマップの活用性 0.44 0.71* 0.50 0.52 - - - - - -
f.アイデアマップの独創性 0.68* 0.59 0.34 0.69* 0.93** - - - - -
g.アイデアマップのカード数 0.17 0.86** 0.47 -0.02 0.63 0.52 - - - -
h.アイデアマップのグループ数 0.13 0.80** 0.78** -0.13 0.52 0.32 0.83** - - -
i.アイデアマップのグループの深さ 0.36 0.80** 0.45 0.25 0.78** 0.72* 0.70* 0.60 - -
j.文章の単語数の増加 0.21 -0.03 0.77** 0.19 0.27 0.14 -0.12 0.31 0.12 -
k.文章の新規単語数 0.31 0.09 0.85** 0.20 0.26 0.14 0.04 0.47 0.12 0.95**
下線・・・相関係数が0.7以上 相関係数の検定の結果 *: p<0.05, **: p<0.01
文章の有用性については、アイデアマップの活用性、カー
ド数、グループ数、グループの深さとの相関が見られ、ア
イデアマップ作成機能を活用し、グルーピングしている人
ほど、文章の有用性が増加。
アイデアマップの独創性が高い人ほど
文章の新規性と、構成と読みやすさが
増加。
アイデアマップのグループ数が増加すると
実現可能性が増加。 43
実験結果:アンケート結果(有用性と操作性)
質問項目
評価尺度
1 2 3 4 5
Q1. アイデアマップの作成はアイデアの整理に役立った。 1人 2人 1人 4人 2人
Q2. アイデアマップの作成は新しいアイデアを発見することに役立った。 2人 1人 4人 2人 1人
Q3. アイデアマップの作成は深く考えること(思考の深化)に役立った。 1人 3人 1人 4人 1人
Q4. アイデアカードの作成は戸惑うことなくできた。 1人 2人 1人 3人 3人
Q5. アイデアカードの配置は戸惑うことなくできた。 0人 2人 2人 4人 2人
Q6. アイデアカードのグルーピングは戸惑うことなくできた。 1人 4人 1人 2人 2人
評価尺度 … 1: 強く同意しない 2: 同意しない 3: どちらともいえない 4: 同意する 5: 強く同意する
下線 … モード
アイデアマップ作成機能は、アイデアの整理や思考の深化には役立ったが、新しいアイデアの
発見までには至らなかったことが推察される回答結果となった。
また操作性についてはグルーピングに戸惑っていると回答する人が半数を占めた。 44
考察
1. アイデアや知識の整理について
文章の「構成と読みやすさ」が向上しており、また有用性に関するアンケートの結果からも、
一定程度効果があったと推察される。
• 理由としては、アンケートの結果で、アイデアマップの作成によって頭の中の整理やアイデアの全体像をつかむ
ことに役立ったという回答が見られ、知識・アイデアのカード化やグルーピングなどの機能が、知識やアイデア
の整理に役立ったものと考えられる。
2. 思考の深化について
文章の「実現可能性」が向上しており、有用性に関するアンケート結果からも効果があった
と推察される。
• 理由としては、アンケート結果で、知識と知識のつながりが可視化されたと回答する人が4割おり、カードのリン
ク機能が思考の深化に貢献した可能性が示唆される。
3. 新しいアイデアの発見について
文章の「新規性」がそれほど向上しておらず、また有用性に関するアンケート結果からも今
回の実験において効果が薄かったと推察される。
結果として、アイデアマップを活用している人ほど、文章の質(特に実現可能性、構成と読みや
すさ)が向上。
45
第6章 iroha Compassの
長期利用による分析
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
46
長期利用の目的
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
4月
長期利用による評価期間(4年)
4月 3月
設計・開発
集計・分析
研究発表
●11月
研究発表
●12月
国際会議での
口頭発表
●11月
●8月
査読付き論文の投稿
●12月(最終投稿)
●8月 (最終投稿)
査読付き論文の投稿
●5月
●9月
評価実験の実施
評価実験の実施
●7月
●7月
査読付き論文の投稿
研
究
活
動
に
お
け
る
主
な
イ
ベ
ン
ト
評
価
期
間
●2月
査読付き論文の投稿
長期にわたる知識創造型学習においてiroha Compassがどのように活用されるかを質的、量的両面から分析し、
考察を行う。2018年4月から2022年3月までの4年、筆者と指導教員の2名で長期利用を行う。
長期利用の流れ:最初に研究のテーマの設定を行い、利用を開始し、研究を進める上で必要な課題を登録し、進
捗の登録、アイデアマップの作成等を随時行う。
32:00 / 18:00
47
分析方法
成果物の量的分析
• iroha Compassに登録された種類別データ数、課題、進捗の登録数を集計。
成果物の内容分析
• 課題、進捗、ファイルを年度別、種類別に分類し、集計。
• システム上から課題、進捗の典型的な活用例を確認。
• 学習テーマの文章のワードクラウドを元に年度別の学習テーマの変化を確認。
利用状況の分析
• システムへのアクセス数および進捗の更新回数を集計。
• Dropbox API を使用して、ローカルのPC上の研究に関連するファイルの更新履歴を月別、
種類別に集計。
48
分析結果:成果物の量的分析結果
データの種類 登録数
学習テーマ 3
課題 201
進捗 761
アイデアマップ 17
ファイル 301
種類別データ数
学習テーマは3件、課題は201件、進捗は761件が登
録(課題1件に対して平均3.8件程度の進捗)。
アイデアマップは17件、ファイルは301件登録。
進捗の登録数の推移(月別)
利用開始直後の2018年4月がもっと多く83件登録
され、その後は平均10件程度で推移。
課題の登録数の推移(月別)
利用開始直後の2018年4月がもっと多く22件登
録され、その後は平均4件程度で推移。
49
分析結果:成果物の内容分析の結果
課題の内容
研究打ち合わせが109件と最も多く、全体の約
54%を占めた。それ以外に実験準備、参考文献
のまとめ、プログラム開発、論文の執筆が多
く登録された。また登録年度ごとに登録内容
に大きな違いがみられた。
分類 2018年 2019年 2020年 2021年 合計 比率
研究打ち合わせ 29 27 28 25 109 54.2%
実験準備 1 2 7 6 16 7.9%
参考文献のまとめ 13 1 0 0 14 7.0%
プログラム開発 10 4 0 0 14 7.0%
論文の執筆 5 1 3 3 12 6.0%
検討課題 5 1 2 1 9 4.5%
先行研究のサーベ
イ
5 2 0 1 8 4.0%
データ集計・分析 1 0 3 3 7 3.5%
事務手続き 3 1 0 0 4 2.0%
発表資料の作成 1 1 0 0 2 1.0%
調査 0 2 0 0 2 1.0%
その他 2 1 0 2 5 2.5%
合計 75 43 43 40 201
分類 2018年 2019年 2020年 2021年 合計 比率
執筆中の論文 97 73 23 28 221 29.0%
研究打ち合わせのメ
モ
86 42 26 21 175 23.0%
実験準備 18 10 45 23 96 12.6%
先行研究のサーベイ 37 4 0 16 57 7.5%
参考文献のまとめ 46 2 0 0 48 6.3%
検討課題 19 6 11 1 37 4.9%
事務手続き 26 3 0 0 29 3.8%
発表資料の作成 8 21 0 0 29 3.8%
プログラム開発 25 2 0 0 27 3.5%
データ集計・分析 1 0 9 14 24 3.2%
調査 0 6 0 0 6 0.8%
その他 8 4 0 0 12 1.6%
合計 371 173 114 103 761
進捗の内容
執筆中の論文が最も多く221件登録され、全体の約29%
を占めた。それ以外には研究打ち合わせのメモ、実験
準備、先行研究のサーベイ、参考文献のまとめ等が多
く登録された。また登録年度ごとに登録内容に大きな
違いがみられた。
50
分析結果:研究打ち合わせ用の課題およびメモの例
打ち合わせ前に、学習者が打ち合わせ
のアジェンダを登録
指導者によるアイデア・メモ
の登録
学習者によるアイデア・メモ
の登録
指導者によるアイデア・
メモの登録
関連する課題へのリンク
課題
進捗
51
分析結果:参考文献のまとめの例
対象となる論文の概要・
ダウンロード用のリンク
対象となる参考
書籍の目次
書籍の内容の
まとめ (章単位)
論文の内容の
まとめ
課題
進捗
52
分析結果:国際会議に投稿する論文に関する対話の例
学習者が論文をアップロード
論文に対する指導者のコメント
学習者が論文の修正版をアップロード
修正に対する指導者のコメント
※ 本課題に対する進捗とコメントの登録数:33件
53
分析結果:アイデアマップによる思考の深化の例
先行研究のマッピング
2019-12-10
研究の軸足の検討
2019-03-19
論文の構成の検討
2019-03-23
研究目的の検討
2021-03-17
54
研究の目的や軸足の検討、先行研究のマッピング、論文の構成の検討に活用。
分析結果:アイデアマップによる研究テーマのまとめの例
研究の方向性について再検討
2020-07-10
これまでの研究内容やサーベイの結果を元に、アイデアを整理し、研究の軸足を自己
主導型学習支援システムから知識創造型学習支援システムへと変える起点となった。
55
考察:システムの利用状況
• アクセス数や進捗の更新回数は2年目以降、減少傾向
だったのに対して、ローカル環境のファイルの更新数
は逆に2年目以降、増加傾向がみられた。
進捗の更新回数の推移
システムへのアクセス数の推移
ファイルの更新回数の推移
56
考察:iroha Compassの年度ごと利用傾向
副テーマ
主テーマ
1年目 2年目 3年目 4年目
◆ 参考文献のまとめ
◆ 先行研究のサーベイ
◆ プログラム開発
◆ 研究打ち合わせ
◆ 論文の執筆
◆ 発表資料の作成
◆ 実験の準備
◆ 課題の検討
◆ データの集計・分析
◆ 先行研究のサーベイ
研究発表
●12月 国際会議での
口頭発表
●11月
●8月
査読付き論文の投稿
●12月(最終投稿)
●9月
評価実験の実施
評価実験の実施
●7月
査読付き論
文の投稿
4月 4月 4月 4月
●7月
3月 3月 3月 3月
• 同意書
• アンケート
• 実験計画書
研
究
活
動
に
お
け
る
主
な
イ
ベ
ン
ト
課
題
・
進
捗
の
主
な
内
容
iroha Compass 上が中心 iroha Compass とローカルのPC作業を併用
作
業
場
所
その要因としては、1年目は参考文献のまとめや先行研究のサーベイが進捗の中心で、iroha Compass上
で作業を行っていたのに対して、2年目以降は論文の執筆や、発表資料、実験用書類の作成、データの集
計・分析等、作業場所がローカルPCに分散していったためと思われる。
57
考察:学習テーマのワードクラウドの変化
• 当初、研究テーマは「学習プロセスにおける収束的創
造技法の活用」であった。そのため2018年度時点でも
「技法」「プロセス」「創造」「活用」といった重要
単語が目立った。
• 2019年度には研究の軸足が自己主導型学習支援システ
ムへ移り、は「自己」「学習」「システム」「モチ
ベーション」といった重要単語が目立った。
• 2020年度には軸足が知識創造型学習支援システムへと
移り、「知識」「創造」「学習」「アイデア」といっ
た重要単語が目立った。
• 2021年度も前年度と同様、「知識」「創造」「学習」
「システム」といった重要単語が目立った。
この結果から、2020年度の段階で研究テーマの内容がほ
ぼ確定したことが読み取れる。
58
考察:知識創造型学習支援システムの役割
1. 知識・アイデアの整理
研究を進めるには、獲得した様々な知識を整理し、既有の知識、アイデアとの結合が求められる。実
際に長期利用では、書籍や論文を課題として登録し、進捗に自身の言葉で内容を要約することで、知
識やアイデアの整理を行った。
2. 思考の深化
先行研究やアイデアを、アイデアマップ作成機能を使用して整理し、思考を深化させ、自身の研究の
位置づけを行った。いくつかのアイデアマップは研究テーマの軸足を移すきっかけとなった。
3. 進捗状況の可視化
研究活動は同時並行で様々なタスクを進める必要がある。そのようなタスクを、TTPモデルの2階層目
に当たる課題として登録し、また課題に取り組むことで発生した成果物を、TTPモデルの3階層目に当
たる進捗として登録することによって、課題の進捗状況が可視化された。
4. 場の共有と対話
長期利用の4年間、指導教員から遠隔による指導を受け、研究に関する様々な情報を iroha Compass
上で共有した。進捗に対する指導者のコメントやアイデア、質問が随時登録され、それに対して学習
者が回答するなどの対話がみられた。
59
第7章 全体考察
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
60
全体考察
短期的な実験 中期的な実験 長期的な利用と分析
該当する章 第4章 第3章 第5章
実験期間 2時間 4週間 4年間
参加者 10名(修士学生) 10名(修士学生) 2 名 ( 筆 者 と 指 導 教
員)
評価対象と
なる機能
アイデアマップ作成
機能のみ
学習テーマと進捗管
理機能を中心とした
システム全体
システム全体
目的 アイデアマップが知
的文章へ与える影響
を明らかにする。
iroha Compassが知
識創造型学習に与え
る影響を明らかにす
る。
iroha Compassが長期
的な知識創造型学習に
おいて実際にどのよう
に活用されるかを明ら
かにする。
達成目標 アイデアマップの作
成 が 深 い 学 び ( 知
識・アイデアの整理、
思考の深化、新しい
アイデア)の発見に
つながる。
iroha Compassにお
ける進捗が感情やモ
チベーションに影響
を与え、パフォーマ
ンスが向上する。
iroha Compassが知識
創造動態モデルにおけ
る場として役割を果た
し、対話と実践による
知識創造スパイラルが
機能する。
結果 新しいアイデアの発
見には至らなかった
が、知識・アイデア
の整理、思考の深化
における有用性が確
認できた。
感情とモチベーショ
ンの関係性、進捗と
パフォーマンスの関
係性が明らかになっ
た。
知識・アイデアの整理
や、課題・進捗の可視
化、場の共有等に活用
された。またTTPモデ
ルの適用パターンを確
認した。
本研究における実験と利用は、短期、中期、長期の3通りで実施。
短期的な実験
• アイデアマップの作成が知識・アイデアの整
理、思考の深化に効果があることがわかり、
アイデアの向上において必要不可欠なアイデ
アの精緻化に役立つことが示唆された。
中期的な実験
• 進捗の更新回数が多い人程、パフォーマンス
(研究テーマの文章の質)が向上しており、
知識創造学習支援システムにおいても進捗管
理機能が重要である可能性が示唆された。
長期的な利用
• iroha Compassが、研究活動における様々な
課題・進捗の管理や、進捗の可視化、場の共
有に活用され、また打ち合わせ、参考文献の
まとめ、論文の執筆等、様々な場面でTTPモ
デルが適用可能であることが分かった。
43:00 / 7:00
61
全体考察:iroha Compass による知識創造型学習の説明モデル
参考書籍・論文
知的資源
対話
Web
他者
指導者
講義
成果物
アイデアの向上
アイデアの深さ
外部データ
執筆中の論文 発表用資料 プログラム
学習者
既有の知識・経験
暗黙知 アイデア
論文
研究発表
分析データ
アイデアの広さ
知識・アイデア
の整理
知識創造型学習支援システム iroha Compass
場の共有
実践
思考の深化
アイデアの精緻化
アイデアの多様化
テーマの設定
足場かけ
課題・進捗の管理
メタ認知
形式知
進捗の可視化
アイデアの向上の進化論的視点 [Hong & Sullivan, 2009]を拡張したモデル
62
全体考察:iroha Compassの限界と課題
2. 進捗の可視化の限界
• 内部に蓄積されたデータを元に進捗を可視化しているため、
PC上の作業や物理世界の進捗が可視化されていない。
• 今後はローカルのPCのファイルの更新内容の反映や、物理
世界の進捗を円滑に登録する仕組みの検討が必要。
1. 対話を支援する機能の不足
• 知識・アイデアの整理、思考の深化に比べて、
対話の面では限定的な活用に留まった。
• 理由としては、コミュニケーションの同期性の
欠如、他のコミュニケーションツール(Skype、
メール、会話)との併用が挙げられる。
• 対話を促すためにチャット等の同期性の高い対
話機能の開発や、他のコミュニケーションツー
ルとの連携等の検討が必要。
63
全体考察:先行研究との位置づけ
知識創造型学習支援システムの従来の研究
• 一つの学習テーマに対して複数の学習者が参加する協調学習での活用が検討されてきた。
• Scardamaliaらはユーザがコンテンツを作成し、知識の構造化を行う「Knowledge Forum」を開発し、
仮想空間に多様で創発的なオフラインの活動を実現。
• 由井薗らは「GUNGEN-SECI」を開発し、分散協調型KJ法によって表出化のみでは得られない新たな知
識獲得を支援できることを明らかにした。
本研究
• 学習者一人一人がそれぞれ違った学習テーマに取り組む自己主導型で個別テーマ型の学
習に適用した。
• 学習者自らが学習テーマおよび進捗の管理を行う機能を用いたという点に新規性がある。
• 第4章の評価実験と第6章の長期利用の結果からも、学習テーマおよび進捗管理機能が知
識創造型学習に有用であると考えられる。
64
全体考察:先行研究との位置づけ
アイデアの可視化に関する従来の研究
• 長らくKJ法や概念マップが用いられ、グループによるKJ法を目的としたグループウェア
や、学習者の理解度を評価する研究が行われていた。
• 宗森らの発想支援グループウェアGUNGENでは、グループKJ法のプロセスをコンピュータ上で再現し、
従来の紙を使ったKJ法と比較して、同程度の効果が得られることが示されている。
• 皆川が行なった理科教育に概念マップを活用した実験では、概念マップ作成が学習者の概念間の関係把握
において効果が認められ、テストの正答率も向上すること示されている。
本研究
• 可視化ツールが学習者の作成する文章にどのような影響を与えるかということに着目し
た点に新規性がある。
• 第5章の評価実験と第6章の長期利用の結果からも、アイデアマップの作成が知識創造型
学習における知的文章作成に有用であると考えられる。
65
第8章 結論
第3章 知識創造型支援システムの設計と開発
第4章 学習テーマおよび
進捗管理機能の評価と結果
第5章 アイデアマップ
作成機能の評価と結果
第6章 iroha Compass の
長期利用と分析
第7章 全体考察
第2章 関連研究
第8章 結論
第1章 研究の背景と目的
66
結論:まとめ
(目的1) 学習テーマおよび進捗管理機能の利用において進捗の頻度、感情、モチベーション、パフォーマン
スにどのような関係が生じるかを明らかにする。
実験の結果、進捗の更新頻度が高い人ほど研究テーマの文章の質も大きく向上していること、また感情と
モチベーションには強い相関がみられたこと等が確認できた。
(目的2)アイデアマップ作成機能が学習者の知的文章作成へ与える影響を明らかにする。
実験の結果、アイデアマップの作成は、新しいアイデアの発見までには至らなかったが、全体的に文章の
質(特に実現可能性、構成と読みやすさ)を向上させる効果があることが確認できた。
(目的3)iroha Compassが長期的な知識創造型学習において実際にどのように活用されるかを明らかにする。
長期利用の結果、ログデータの集計やワードクラウドによる分析によって、知識の整理や思考の深化にお
ける活用例や、思考の変化が確認でき、指導教員との作業の共有、対話等の状況についてもログデータを
用いて検討できる可能性がわかった。
現代社会において求められるスキルは、21世紀型スキルとも呼ばれ、社会の中で起こる多様な
問題や課題を見つけ出し、自ら考え、行動し、解決へ導けるスキルとされている。そのためには
自らが課題設定を行い、よりよいアイデアや新しい知識を創り出し、問題の解決を行う学び方が
求められている。本研究では、そのような学びに必要とされる知識創造型学習支援システムを設
計し、その効果や利用の実証を行った。
48:00 / 2:00
67
結論:まとめ
本研究の課題と今後の展開
• 現在の進捗や活動状況を統合的に把握するために、iroha Compass以外のローカルのPC作業
や、他のコミュニケーションツールの履歴、物理空間の活動の進捗等を円滑にシステムに反映
する方法を検討。
• アイデアマップ作成の実験において、文章の質の変化には有意差が見られたが、因果関係を示
すためには、比較実験を検討。
• 今回の評価実験ではiroha Compassに登録された成果物の評価、分析に留まったが、今後は実
験参加者の知識創造を行う能力の評価方法についても検討。
• ワードクラウドを活用して、進捗の可視化やメタ認知を支援する機能を開発。
• iroha Compass をオープンソースソフトウェアとして無償公開する予定。
実際に知識創造型学習にて広く一般に利用されることを期待。
68
ご清聴ありがとうございました
Thank you for your attention
69
予備
第 2 章 関 連 研 究
70
2.2. Knowledge Forum
ユーザがコンテンツ(ビューとノート)を作成し、構造化していくことができる知識構築環境である。
Scardamalia, Marlene; CSILE/Knowledge forum® Education and technology: An encyclopedia, 183, 192, 2004
• ビューはノートに構造と意味を与えるための文脈を提供する。
• ノートは学習者のアイデアという形で登録され、付け加え
(build on)、注釈(annotate)、引用(reference)といった
足場かけ用の機能が用意されている。
• ノートは他のノートや、グラフィック等とリンクすることが
できる。
• Knowledge Forum は単なるツールではなく、グループの主要な
課題が仮想空間で生じるよう「知識構築環境」として設計さ
れた。
• Knowledge Forum は多様なオフラインの活動の総括的な努力を
発展させる場として存在している。
71
2.2. 先行研究:知識創造活動支援グループウェア:GUNGEN-SECI
組織のダイナミックな知識創造モデルとして提案されたSECIモデル(共同化、表出化、連結化、内面
化)を参考とした研究グループにおける知識創造活動を支援するグループウェア。
出典 : 由井薗隆也; 宗森純;「 研究グループの知識創造活動を支援する GUNGEN-SECI の表出化と連結化」, 2007, 情報処理学会 72
2.2. The Web 2.0 Driven SECI Model Based Learning Process
Web 2.0 駆動型学習のフレームワークを提示し、SECIモデルに基づいた学習プロセスを提案
Chatti, Mohamed Amine; Klamma, Ralf; Jarke, Matthias; Naeve, Ambjorn; ,The Web 2.0 driven SECI model based learning process,Seventh
IEEE International Conference on Advanced Learning Technologies (ICALT 2007),,,780-782,2007,IEEE
Web 2.0 駆動型学習
SECIモデルに基づいた学習プロセス
73
2.2. Design and Development of SECI and Moodle Online Learning Systems to
Enhance Thinking and Innovation Skills for Higher Education Learners
高等教育機関の学習者の思考力とイノベーション能力を高めるためのSECIとMoodleオンライン学習シス
テムの設計と開発
Chootongchai, Suparoek; Songkram, Noawanit; ,Design and development of SECI and Moodle online learning systems to enhance thinking
and innovation skills for Higher Education Learners.,International Journal of Emerging Technologies in Learning,13,3,,2018,
Moodle ベースのオンライン学習システム
• インタラクション・コミュニケーション・モジュール(フォーラム、
チャット、マインドマップ、オンラインミーティング)
• コラボレーティブ・ラーニング・モジュール(Wiki 等でオンライン
学習活動をコラボレーション)
• 学習リソースモジュール(教師の要求に応じて、書籍、Webサイトの
URL等、学習トピックの情報と場所を提供)
• プレゼンテーション・モジュール(プレゼンテーションツールで経験
を共有)
• モチベーションモジュール(レベルアップやバッジなどゲーミフィ
ケーションで学生の競争心を刺激)
• 評価モジュール(チェックリストやグレーディングで学生の思考力や
イノベーションスキルの学習を評価)
提案システムの構成
74
2.2. 社会意味ネットワーク分析とテキストマイニングの混合法による知識
創造型学習の評価の提案
アクティブラーニングとして今後発展が期待される知識創造型学習に焦点をあて,新たな評価方法を提案
大﨑理乃; 大島純; ,社会意味ネットワーク分析とテキストマイニングの混合法による知識創造型学習の評価の提案,日本教育工学
会論文誌,43,1,13-29,2019,日本教育工学会
提案方法による可視化の例
• 単語や熟語などの長さに関わらず特定の意味をもつ言葉であ
る「フレーズ」によって構成される知識を要素とした,学習
活動の成果物をアイディアと定義する.
• 知識創造型学習の中で生成される共同体でのアイディアの変
化と,そのプロセスにおける個人の貢献を捉えるため,以下
の方法を提案(1)テキストマイニングの一種であるTF-IDF
を基に,アイディアを構成するフレーズを抽出する方法
(2)抽出したフレーズを利用したSSNA の混合法による可視
化の方法
提案された評価方法
75
関連研究:インナーワークライフ効果と進捗の法則
• インナーワークライフ
• 感情とモチベーションと認識の相互作用。
• インナーワークライフ効果
• 進捗を着実に図ることで、進捗を感じる頻度が増え、
インナーワークライフの質が向上し、創造的なパ
フォーマンスが長期的に高まる。
• 進捗の法則
• 進捗はポジティブなインナーワークライフにつなが
り、ポジティブなインナーワークライフはさらなる
進捗につながる好循環。
ポジティブな
インナーワークライフ
進捗 ネガティブな
インナーワークライフ
障害
インナーワークライフ
認識
感情
モチベーション
職場での出来事
進捗の法則
触媒ファクター
栄養ファクター
パフォーマンス
創造性
生産性
コミットメント
同僚性
好循環 悪循環
[Amabile, 2012]
76
• 米企業の1万2千の
日誌分析。
• 35年に渡る研究。
関連研究:足場かけ
学習科学における足場かけ(scaffolding)とは、一人では達成できない複雑な課題をより
有能な他者との協同的活動による支援によって達成するという概念である。
足場かけによる学習の特徴
• 複雑な課題に向き合う学習者の状況に即して、課題を変形させる。
• 学習者と有能な他者とで作業を共有する「場」が重要。
[Wood, Bruner, & Ross 1976]
77
予備
第3章 知識創造型学習支援システムの設計と開発
78
実践
HOW
対話
WHY
駆動目標
ビジョン
WHAT
形式知
暗黙知
環境
知的資産
場
iroha Compass
定例ゼミ・
進捗報告・コメント
論文執筆・研究発表
課題
(Task)
学習テーマ
(Theme)
システムのコンセプト:知識創造動態モデルとの関係
進捗
(Progress)
学会等の知的コミュニティ
参考書籍・論文・Web
iroha Compass における知識創造型学習と知識創造動態モデルの関係
iroha Compass は知識創造学習における場となることを目指している。 79
知識創造型学習支援システム iroha Compass
システムの概要:機能一覧
アイデアマップ作成機能
iroha Map(サブシステム)
学習テーマの設定機能
課題・進捗管理機能
最近の進捗状況表示機能
ワードクラウド自動生成機能
進捗の可視化、
メタ認知を支援
取り組みたい学
習テーマを設定
学習者側の機能
ユーザ管理機能
指導者側の機能
グループ管理機能
お知らせ管理機能
進捗検索機能
システム設定機能
知識・アイデアの
整理、思考の深化
を支援
進捗確認・
足場かけを
支援
学習者へ
情報発信
学習者の
管理
初期設定
80
システム構成:指導者側の画面遷移
指導者
進捗一覧を表示 進捗内容を確認
ログイン
ユーザの管理
お知らせを設定
学習者
最近の進捗状況を確認
コメントを追加
メール通知
81
システム構成:ホーム画面と学習テーマの設定機能
• ホーム画面
ログイン後に最初に表示される画面。各種お知らせ、最近の進捗、学習テーマ一覧を表示。
• 学習テーマ設定画面
学習者自身が取り組みたい学習テーマを登録。
学習テーマの設定
ホーム画面
Theme
Task
Progress
最近の進捗
学習テーマ一覧
各種お知らせ
82
システム構成:課題・進捗管理機能
課題・進捗管理機能
学習テーマの学習を進める上で必要なタスク等を学
習者自身が管理する機能。
課題の例:参考文献のまとめや、調査、論文執筆、
資料作成等。
課題一覧画面
学習テーマを選択すると表示される。
進捗一覧画面
課題の内容と、登録された進捗やコメントがブロッ
ク形式で表示される。
進捗の例:打ち合わせの議事録、執筆中の論文、
データの分析結果、発表用のスライド等
進捗登録画面
入力形式(テキスト、Markdown、アイデアマッ
プ)と種別(進捗、コメント、 アイデア・メモ、 質
問、回答)を選択し、進捗内容を入力し、登録。
進捗の登録と同時に関係者にメール通知も可能。
進捗一覧画面
課題の登録 進捗の登録
課題一覧画面
Theme
Task
Progress
Theme
Task
Progress
83
システム構成:最近の進捗状況表示機能
• 最近の進捗状況表示機能
• 過去2週間分の自身のシステムの利用状況
や進捗の更新状況をグラフ表示し、最近の
更新された進捗を一覧表示する。
• 最近どれほどシステムを活用しているかを
視覚的に把握することができる。
• 一覧から前回の課題や進捗のタイトルをク
リックすることによって、シームレスに作
業を再開することが可能。
84
システムのコンセプト:KJ法とiroha Mapの比較
アイデアをカードとして作成 関連付けとグルーピングによって
アイデアを整理
作成したマップを元に文章を作成
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
~
~ ~ ~ ~ ~ ~
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
Ideas Map Text
KJ法 iroha Map
カード 〇 〇
カード同士のリンク △(図解化) 〇
グループ編成 〇 〇
グループ名(表札) 〇 〇
グループ間の関係線 〇 ×
実施手順
「カード作成」→「グループ編
成」→「図解化」→「文章化」
「カード作成」→「グループ編
成」→「文章化」
85
システム構成:TF-IDFによるワードクラウド自動生成機能
〇△× 知識 ×
〇△ □×学習〇
△ □学習△ モ
チベーション
□□□アイデア×
□× 〇△ ×
〇△ □×知識〇
△ □×〇△ ×ア
イデア ・・・
□×〇△ ×
□×〇△ × 〇△
〇△ × □×
×××〇△ □ ×
× ×××〇△ □×
〇△ □ ×××
×××〇 △ □×
〇△ × □×〇 △
□×〇△ × □×
□×〇△ ×
□×〇△ × 〇△
〇△ × □×
×××〇△ □ ×
× ×××〇△ □×
〇△ □ ×××
×××〇 △ □×
〇△ × □×〇 △
□×〇△ × □×
□×〇△ ×
□×〇△ × 〇△
〇△ × □×
×××〇△ □ ×
× ×××〇△ □×
〇△ □ ×××
×××〇 △ □×
〇△ × □×〇 △
□×〇△ × □×
□×〇△ ×
□×〇△ × 〇△
〇△ × □×
×××〇△ □ ×
× ×××〇△ □×
〇△ □ ×××
×××〇 △ □×
〇△ × □×〇 △
□×〇△ × □×
自身の研究テーマの文章
他者の研究テーマの文章
2. TF-IDFで各単語の重要
度を算出
知識 0.451
創造 0.312
モチベーション 0.324
進捗 0.143
アイデア 0.135
・・・ 0.xxx
計30個
3. 重要度に応じて
単語を生成
1. 自身の文章と他者の
文章から単語を抽出
4. 生成した単語で
ワードクラウドを生成
知識 知識 知識 知
識 知識 創造 創造
創造 創造 創造 学
習 学習 学習 モチ
ベーション モチベー
ション モチベーショ
ン 進捗 進捗 アイ
デア アイデア アイ
デア システム シス
テム 相関 マップ
分析 長期
W = ・ 100
W…単語数 wordcloud
ライブラリ
TF-IDF
mecab
〇△× 知識
□× 学習
モチベーション
研究 実験 ア
イデア× □×
知識 ×アイデ
ア ・・・
× △△△
〇〇〇〇
×××
□□□ × ×
〇〇〇 ×××
□□□ □□
×××〇 △
□〇〇〇・・・
× △△△
〇〇〇〇
×××
□□□ × ×
〇〇〇 ×××
□□□ □□
×××〇 △
□〇〇〇・・・
× △△△
〇〇 〇〇
××× □□
□ × × 〇〇
〇 ××× □
□□ □□
×××〇 △
□〇〇〇・・・
× △△△
〇〇 〇〇
××× □□
□ × × 〇〇
〇 ××× □
□□ □□
×××〇 △
□〇〇〇・・・
86
システム構成:TF-IDFの計算方法
• tf(i, j) = 文章jにおける単語iの出現頻度 / 文章における全単語の出現頻度の和
• idf(i) = log(全文章数 / 単語iを含む文章数)
• tfidf(i, j) = tf(i, j) * idf(i) = 単語の重要度
tf(Term Frequency):単語の出現頻度(文章Aにおける単語xの出現頻度)
idf(Inverse Document Frequency):逆文書頻度(一般的な用語程、idfの値が低
くなり、重要な単語程高くなる)
tf(i, j) * idf(i) を求めると特定の文章に含まれる特定の単語の重要度が算出できる。
例えば以下の3つの文章において各単語の重要度を求める
場合、以下のように計算する。
文章A:[ブロンズ, シルバー, シルバー]
文章B:[ブロンズ, ゴールド],
文章C:[ブロンズ, ゴールド, プラチナ]
まず各単語の出現頻度 tf を求める。
tf(i, j) = 文章jにおける単語iの出現頻度 / 文章における全
単語の出現頻度の和
tf(ブロンズ, A) = 1/3 = 0.33
tf(シルバー, A) = 2/3 = 0.66
tf(ブロンズ, B) = 1/2 = 0.5
tf(ゴールド, B) = 1/2 = 0.5
tf(ブロンズ, C) = 1/3 = 0.33
tf(ゴールド, C) = 1/3 = 0.33
tf(プラチナ, C) = 1/3 = 0.33
tf(ブロンズ,C) * idf(ブロンズ) = 0
tf(ゴールド,C) * idf(ゴールド) = 0.19
tf(プラチナ,C) * idf(プラチナ) = 0.52
tfidf の数値が高い単語程、重要な単語とされ、各文
章で最も重要度の高い単語は以下の通りとなります。
文章A : シルバー
文章B : ゴールド
文章C : プラチナ
次に逆文書頻度 idf を求めます。
idf(i) = log(全文章数 / 単語iを含む文章数)
idf(ブロンズ) = log2(3/3) = 0
idf(シルバー) = log2(3/1) = 1.58
idf(ゴールド) = log2(3/2) = 0.58
idf(プラチナ) = log2(3/1) = 1.58
最後に tfidf を求めます。
tfidf(i, j) = tf(i, j) * idf(i)
tf(ブロンズ,A) * idf(ブロンズ) = 0
tf(シルバー,A) * idf(シルバー) = 1.04
tf(ブロンズ,B) * idf(ブロンズ) = 0
tf(ゴールド,B) * idf(ゴールド) = 0.29
87
予備
第4章 学習テーマおよび進捗管理機能の評価と結果
88
評価方法:文章の評価用ルーブリック
評価観点 配点 評価基準
新規性 4 研究の新規性を過不足がない形で十分かつ明確に提示されている。
3 研究の新規性を提示されている。
2 研究の新規性が一部感じられる。
1 研究の新規性が感じられない。
有用性 4 研究の有用性を過不足がない形で十分かつ明確に提示されている。
3 研究の有用性を提示されている。
2 研究の有用性が一部感じられる。
1 研究の有用性が感じられない。
実現可能性 4 研究の具体的かつ現実的な実現方法が、過不足がない形で十分かつ明確に提示されている。
3 研究の具体的かつ現実的な実現方法が提示されている。
2 研究の実現方法が一部提示されている。
1 研究の実現方法が提示されていない。
構成と読みやすさ 4 作成した文章の構成が過不足なく十分かつ明確に整理されている。
3 作成した文章の構成が整理されている。
2 作成した文章の構成が一部整理されている。
1 作成した文章の構成が整理されていない。
ルーブリックとはある課題に対して評価の観点を設定し、その評価の観点について「達成の度合いを示す数値的な尺度」と
「それぞれの尺度に見られるパフォーマンスの特徴を示した記述」で評価指標を設定し、マトリックス形式で示したもの [Mertler, 2000]
「新規性」、「有用性」、「実現可能性」については、Finkeの著書「創造的認知」の「創造の産物の評価」を参考に設定。
評価基準の数は参考文献のルーブリックのテンプレートに倣い4段階の評価基準を設定。 89
評価方法:各評価項目の相関分析
評価項目 評価方法
a. 進捗の大きさ
b. 進捗の頻度
c. 障害
d. モチベーション
e. ポジティブな感情
f. ネガティブな感情
アンケート評価
g. 進捗の更新回数 研究テーマの文章の量的評価
h. システムへのアクセス数 システム利用状況の量的評価
i. 文章の質の増減 研究テーマの文章の質的評価
アンケート結果、システムの利用状況、研究テーマの文章の質の増減をもとに各評価項目の相関分析
を行う。また相関係数、サンプルサイズ、有意水準(0.05)を元に検定力(Power)の計算を行う。
無相関検定によって相関係数の検定を行う。
90
評価方法:アンケート評価
5段階のリッカート尺度: 強く同意しない、同意しない、どちらともいえない、同意する、強く同意する
進捗確認アンケート システム評価アンケート
毎週実施 最終日に実施
進捗、モチベーション、感情を評価 iroha Compass の操作性と有用性を評価
Q1. 最近1週間、研究に比較的大きな進捗があった。
Q2. 最近1週間、研究における進捗が比較的多く
あった。
Q3. 最近1週間、研究において障害があった。
Q4. 最近1週間、研究におけるモチベーションは比
較的高かった。
Q5. 最近1週間、嬉しい・楽しいと感じることが比
較的多かった。
Q6. 最近1週間、悲しい・つらいと感じることが比
較的多かった。
Q7. 自動生成されたワードクラウドは研究の特徴を
表している。
Q2-1. 研究テーマの文章の作成、更新は戸惑うことなくできた
Q2-2. 課題の作成、進捗の更新は戸惑うことなくできた
Q2-3. アイデアマップの作成は戸惑うことなくできた
Q2-4. このシステムは自身の研究を進めるために役立った
Q2-5. このシステムは知識やアイデアの整理に役立った
Q2-6. このシステムは自身の研究について深く考えること(思考
の深化)に役立った
Q2-7. このシステムは新しいアイデアの発見に役立った
Q2-8. このシステムはモチベーションの維持に役立った
Q2-9. 知識やアイデアの整理に役立った機能を選択してください
Q2-10. 深く考えることに役立った機能を選択してください
Q2-11. 新しいアイデアの発見に役立った機能を選択してください
Q2-12. モチベーションの維持に役立った機能を選択してください
進捗確認アンケートとシステム評価アンケートの2種類のアンケートを実施。
91
評価結果:進捗確認アンケートの回答結果
質問項目 評価尺度 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
Q1. 研究におい
て大きな進捗が
あった。
5 1人 0人 0人 2人 2人
4 3人 2人 4人 4人 4人
3 4人 6人 4人 3人 4人
2 2人 2人 2人 1人 0人
1 0人 0人 0人 0人 0人
Q2. 研究におい
て進捗が頻繁に
あった。
5 0人 1人 0人 1人 1人
4 6人 2人 3人 3人 3人
3 2人 4人 4人 5人 5人
2 2人 3人 3人 1人 1人
1 0人 0人 0人 0人 0人
Q3. 研究におい
て障害があった。
5 0人 1人 0人 0人 0人
4 5人 3人 2人 2人 6人
3 2人 3人 4人 3人 3人
2 3人 3人 4人 5人 1人
1 0人 0人 0人 0人 0人
評価尺度 … 1: 強く同意しない 2: 同意しない 3: どち
らともいえない 4: 同意する 5: 強く同意する
太字下線 … モード
質問項目 評価尺度 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
Q4. 研究におけ
るモチベーショ
ンは高かった。
5 0人 0人 0人 1人 1人
4 5人 2人 6人 6人 5人
3 4人 6人 4人 3人 4人
2 1人 2人 0人 0人 0人
1 0人 0人 0人 0人 0人
Q5. 嬉しい・楽
しいと感じるこ
とが多かった。
5 0人 0人 0人 2人 1人
4 3人 5人 6人 2人 4人
3 2人 2人 3人 5人 3人
2 4人 3人 0人 1人 1人
1 1人 0人 1人 0人 0人
Q6. 悲しい・つ
らいと感じるこ
とが多かった。
5 1人 2人 1人 0人 0人
4 3人 3人 0人 2人 4人
3 3人 1人 4人 5人 4人
2 3人 4人 5人 1人 2人
1 0人 0人 0人 2人 0人
Q7. 自動生成
されたワード
クラウドは研
究の特徴を表
している。
5 5人 5人 4人 4人 5人
4 4人 4人 5人 5人 4人
3 1人 1人 1人 1人 1人
2 0人 0人 0人 0人 0人
1 0人 0人 0人 0人 0人
Q1,2は横ばい、Q3は4回まで下降傾向、Q4は3回目以降0人、Q5は緩やかな上昇傾向、Q6は緩やかな4回目まで緩やかな下降傾向がみられた。
Q7は9割がワードクラウドが研究の特徴を表していると同意。 92
評価結果:相関分析結果
太字下線・・・相関係数が0.7以上 相関係数の検定の結果 *: p<0.05, **: p<0.01
a b c d e f g h
a. 進捗の大きさ - - - - - - - -
b. 進捗の頻度 0.69* - - - - - - -
c. 障害 -0.50 -0.30 - - - - - -
d. モチベーション 0.68* 0.69* -0.33 - - - - -
e. ポジティブな感情 0.66* 0.65* -0.39 0.84** - - - -
f. ネガティブな感情 -0.68* -0.36 0.40 -0.68* -0.84** - - -
g. 進捗の更新回数 0.45 0.13 -0.42 0.04 0.13 -0.44 - -
h. アクセス数 0.44 0.29 -0.28 0.01 -0.13 -0.04 0.80**
i. 文章の質の増減 0.26 -0.14 -0.34 -0.07 0.30 -0.56 0.75* 0.25
93
予備
第5章 アイデアマップ作成機能の評価と結果
94
評価方法:質的評価用ルーブリック
評価観点 配点 評価基準
新規性
4 研究の新規性を過不足がない形で十分かつ明確に提示されてい
る。
3 研究の新規性を提示されている。
2 研究の新規性が一部感じられる。
1 研究の新規性が感じられない。
有用性
4 研究の有用性を過不足がない形で十分かつ明確に提示されてい
る。
3 研究の有用性を提示されている。
2 研究の有用性が一部感じられる。
1 研究の有用性が感じられない。
実現可能性 4 研究の具体的かつ現実的な実現方法が、過不足がない形で十分
かつ明確に提示されている。
3 研究の具体的かつ現実的な実現方法が提示されている。
2 研究の実現方法が一部提示されている。
1 研究の実現方法が提示されていない。
構成と読み
やすさ
4 作成した文章の構成が過不足なく十分かつ明確に整理されてい
る。
3 作成した文章の構成が整理されている。
2 作成した文章の構成が一部整理されている。
1 作成した文章の構成が整理されていない。
研究テーマの文章の評価用
評価項目 配点 評価基準
活用性
4 アイデアマップ作成機能を過不足がない形で十分かつ明確に
活用されている。
3 アイデアマップ作成機能を活用されている。
2 アイデアマップ作成機能の活用が一部感じられる。
1 アイデアマップ作成機能の活用が感じられない。
独創性 4 アイデアマップの独創性が、過不足がない形で十分かつ明確
に提示されている。
3 アイデアマップの独創性が提示されている。
2 アイデアマップの独創性が一部感じられる。
1 アイデアマップの独創性が感じられない。
アイデアマップの評価用
• ルーブリックとはある課題に対して評価の観点を設定し、
その評価の観点について「達成の度合いを示す数値的な
尺度」と「それぞれの尺度に見られるパフォーマンスの
特徴を示した記述」で評価指標を設定し、マトリックス
形式で示したもの [Mertler, 2000]
• ルーブリックの評価観点は、Finkeの著書「創造的認
知」の「創造の産物の評価」を参考に設定を行った
[Finke, 1999]。評価基準の数は明確に定められていない
が、本実験では参考文献のルーブリックのテンプレート
に倣い4段階の評価基準を設定した。
95
評価方法:アンケートによる評価
質問内容 回答形式
Q1. アイデアマップの作成はアイデアの整理に役立った。 単一回答式
Q1-2. なぜそのように回答したか、理由を書いてください。 自由回答式
Q2. アイデアマップの作成は新しいアイデアを発見することに役立った。 単一回答式
Q2-2. なぜそのように回答したか、理由を書いてください。 自由回答式
Q3. アイデアマップの作成は深く考えることに役立った。 単一回答式
Q3-2. なぜそのように回答したか、理由を書いてください。 自由回答式
Q4. カードの作成は戸惑うことなくできた。 単一回答式
Q5. カードの配置は戸惑うことなくできた。 単一回答式
Q6. カードのグルーピングは戸惑うことなくできた。 単一回答式
Q7. アイデアマップ作成機能を使用して良かった点があればお書きください。 自由回答式
Q8. アイデアマップ作成機能を使用して改善したい点、悪かった点があればお書きください。 自由回答式
Q9. その他ご意見、ご感想があれば、お書きください。 自由回答式
96
予備
第6章 iroha Compass の長期利用による分析
97
考察:進捗内容のワードクラウドの変化
• 2018年4月~9月は機能の追加や改善が頻繁に行われてお
り、「システム」「開発」「モデル」といった重要単語
が目立った。
• 2018年10月~2019年3月は自己調整学習や自己主導型学
習の支援システムに関する研究のサーベイや論文の執筆
に取り組んでいたため、「自己」「学習」「self」
「learning」といった単語が目立った。
• 2020年4月~9月は副テーマ研究であるアイデアマップ作
成機能に関連する研究のサーベイや論文執筆を行ってい
たため、「アイデア」「マップ」「相関」「検定」とい
う単語が目立った。
• 2021年4月~9月は主研究テーマが知識創造学習支援シス
テムへ固まり、システムを利用した実験の準備及び実験
の実施を行ったため、「知識」「創造」「システム」
「モチベーション」といった重要単語が目立った。
• 長期利用の開始当初、主研究テーマは「個人の自律的な
学習」に主眼が置かれていた。しかし先行研究のサーベ
イや、学会や国際会議での研究発表、指導教員とのディ
スカッション等を通じて、次第に「自律学習」から「知
識創造型学習」というより具体的な学習形態へ、研究の
主眼が移っていったことがワードクラウドからも浮き彫
りとなった。
2018年4月~9月
2018年10月~2019年3月
2019年4月~9月
2019年10月~2019年3月
2020年4月~9月
2020年10月~2019年3月
2021年4月~9月
2021年10月~2019年3月
98
予備
第7章 全体考察
99
全体考察:機能と目的の関係
知識・アイデアの
整理
目的
機能
研究テーマの設定機
能
思考の深化
新しいアイデアの
発見
モチベーションの
維持
課題・進捗の管理機
能
アイデアマップ作成
機能
ワードクラウド自動
生成機能
最近の進捗の表示機
能
中期的な実験後の各機能の有用性に関するアンケート結果を元に作成した機能の目的の関係性。
• iroha Compassの主要機能である課題・進捗の
管理機能が知識・アイデアの整理に役立ったと
10人中10人、モチベーションの維持に役立っ
たと10人中8人が回答していることが分かり、
iroha Compassの設計の目的と合致した結果と
なった。
• アイデアマップ作成機能については知識・アイ
デアの整理や思考の深化には役立ったが、新し
いアイデアの発見には至らなかった回答してお
り、第3章のアイデアマップを対象とした実験
結果を裏付ける結果となった。
100
用語の定義(1/2)
• アイデア :ひらめき、考え、概念的な人工物。
• アイデアマップ :知識やアイデアを、カードとリンクとグループによって可視化した図。
(a)知識・アイデアを整理、(b)思考の深化、(c)新しいアイデアの発見の
3つのプロセスを支援することを目的としている。
• アクティブラーニング:主体的・対話的で深い学び。
• 学習 :新しく知識を獲得、結合、もしくは変換すること。
• 学習科学 :認知科学などから発展した分野で、現代のテクノロジーを駆使して
実効性のある学習環境をデザインしようとする実践的な学問領域。
• 学習テーマ :一連の学習活動を表現する具体的な題名。
研究テーマもiroha Compassでは学習テーマとして扱われる。
• 個別テーマ型の知識 :一人一人が自ら学習テーマを設定し、取り組む知識創造型学習。
創造型学習
• 課題 :(1) 設定した学習テーマの学習を進める上で必要なタスク、Todo。
(2) 解決したい問題。
• 研究活動 :研究テーマに沿って行われる一連の活動。
101
用語の定義(2/2)
• 進捗 :課題に取り組むことで発生した成果。
• 知識 :経験や学習を通じて知り得たもの、もしくは周知の事実。
言葉では説明できない暗黙知も含まれる。
• 知識科学 :知識創造という視点から、自然科学、社会科学や人文科学の各分野
の学問を融合し、知識の創造・蓄積・活用のメカニズムの探求と、
未来社会のデザインを行う学問領域。
• 知識創造 :形式知と暗黙知の相互作用によって自ら新たな知識を生み出すこと。
• 知識創造型学習 :アイデアを向上させる学習。
• 知識創造型学習支援 :知識創造型学習を支援する情報システム。
システム
• 知的文章 :あるテーマに関連する知識やアイデアを整理し、思考を深化させ、
自らのアイデアを付加し作成した文章。
• 場 :他者と共有可能な物理的もしくは仮想的空間。
• 深い学び :獲得した知識を既有の知識や経験に結び付け、概念を理解する学び。
• モチベーション :活動するための精神的な原動力。
• ワードクラウド :テキストデータ内の単語の重要度によって文字の大きさを変更し、
視覚化する手法。 102
分析手法:効果量
• 実験を実施した後に,サンプル・サイズ,効果量,有意水準(α)から,検定力(1-β)を確認する。
• 検定力が 0.8 ということは,実際に有意差があるときには,80%の確率でそれを検出できることを意味。
• 検定力分析は,フリーソフト G*Power を使って行う。
モチベーションとポジティブな感情
相関係数:0.84、サンプル数:10
103
分析手法:無相関検定
• 相関係数検定は「無相関検定」と呼ばれており,「母集団の相関が 0 である(ρ = 0)」とい
う帰無仮説を検定する。
• 無相関検定はExcelの関数を使用して行う。
1) correl関数を使って相関係数(r)を求める。
2) 相関係数(r)とサンプルサイズ(n)から、検定統計量(t)を求める。
3) tdist関数を使って P値を求める。
104
分析手法:ノンパラメトリック検定
パラメトリック検定
• t検定など母集団分布に特定の分布を仮定した検定。
ウィルコクソンの符号付順位和検定
• 対応のあるt検定に対応し、対応のあるt検定で必要とされる仮定が満たされない場合に用いる。
ノンパラメトリック検定
• 母集団分布に正規分布のような特定の分布を仮定せず、分布の形によらずに行える検定。
パラメトリック検定 ノンパラメトリック検定
2群間 t検定 ウィルコクソンの符号付順位和検定
相関 ピアソンの積率相関係数 スピアマンの順位相関係数
ケンドールの順位相関係数
105

More Related Content

PDF
知識創造型学習支援システムと開発と研究活動への適用
PPTX
進捗の法則と創造技法を応用した自律学習支援システム「iroha Compass」の開発
PPTX
創造技法と進捗管理を用いた自律学習支援システムの提案
PDF
金沢大学図書館機能強化プログラムシンポジウム「大学図書館における学習支援のこれから」
PDF
学び方のデザイン名古屋大学版
PDF
アイデアワークショップ for SmartTech Award 2013
KEY
デザイン思考 ワークショップ
PDF
学び方のデザイン名古屋大学版 加筆版
知識創造型学習支援システムと開発と研究活動への適用
進捗の法則と創造技法を応用した自律学習支援システム「iroha Compass」の開発
創造技法と進捗管理を用いた自律学習支援システムの提案
金沢大学図書館機能強化プログラムシンポジウム「大学図書館における学習支援のこれから」
学び方のデザイン名古屋大学版
アイデアワークショップ for SmartTech Award 2013
デザイン思考 ワークショップ
学び方のデザイン名古屋大学版 加筆版

Similar to 知識創造型学習支援システム iroha Compass の開発と研究活動への適用 (20)

PPTX
20121208大学教育セミナー(名大)pub
PDF
170828STEMが統合された学習環境における創造性の構成概念
PDF
Nagaya 20120107
PDF
【人間中心イノベーション概論】4限目:創出 アイデア発想の発散・収束・表現方法 先生:【人間中心イノベーション概論】4限目:創出 アイデア発想の発散・収束...
PPTX
デザイン思考入門クラス 2015年4月21日
PDF
지식과학의지식창조빌딩
KEY
医学教育学会2012 (deleted 50109ebe f1d044-9a9e32a7)
PDF
【デザイン思考マスター・クラス:12月23/24日】本場スタンフォード大学に学ぶ!
PDF
120502助産学会・講演1.8
PDF
【デザイン思考マスター・クラス:12月15/16日】本場スタンフォード大学に学ぶ!
KEY
「シミュレーショントレーニングの質保証モデル」日本医療教授システム学会2012/03
KEY
Creating Ecosystem of Research
PDF
Koushien univ
PDF
デザイン思考入門クラス2015年2月24日
PDF
【デザイン思考マスター・クラス:11月24/25日】本場スタンフォード大学に学ぶ!
PDF
ロボットによる一般問題解決
PDF
Sakai 20111203
PDF
Ict for education 2018 k tanaka_181109
PDF
クリエイティブサロン2017 001
PDF
中小企業大学校・仙台校、2日間講義ワークショップ【業務改革のためのアイデア発想ひきだし術】
20121208大学教育セミナー(名大)pub
170828STEMが統合された学習環境における創造性の構成概念
Nagaya 20120107
【人間中心イノベーション概論】4限目:創出 アイデア発想の発散・収束・表現方法 先生:【人間中心イノベーション概論】4限目:創出 アイデア発想の発散・収束...
デザイン思考入門クラス 2015年4月21日
지식과학의지식창조빌딩
医学教育学会2012 (deleted 50109ebe f1d044-9a9e32a7)
【デザイン思考マスター・クラス:12月23/24日】本場スタンフォード大学に学ぶ!
120502助産学会・講演1.8
【デザイン思考マスター・クラス:12月15/16日】本場スタンフォード大学に学ぶ!
「シミュレーショントレーニングの質保証モデル」日本医療教授システム学会2012/03
Creating Ecosystem of Research
Koushien univ
デザイン思考入門クラス2015年2月24日
【デザイン思考マスター・クラス:11月24/25日】本場スタンフォード大学に学ぶ!
ロボットによる一般問題解決
Sakai 20111203
Ict for education 2018 k tanaka_181109
クリエイティブサロン2017 001
中小企業大学校・仙台校、2日間講義ワークショップ【業務改革のためのアイデア発想ひきだし術】
Ad

More from Kotaro Miura (9)

PPTX
iroha Compass: Development of a Self-directed Learning Support System Based o...
PDF
EATシリーズ 2006
PPTX
オープンソースのeラーニングシステム「iroha Board」~開発の背景とシステムの特徴~
PPTX
オープンソースの学会向け会員管理システムとオープンソースビジネスの実践
PPTX
JAIST 入試プレゼン資料
PPTX
国際経営特論2015発表資料
PPTX
国際開発特論2015発表資料
PPTX
iroha Board 説明資料
PPTX
iroha Note Cloud 説明資料
iroha Compass: Development of a Self-directed Learning Support System Based o...
EATシリーズ 2006
オープンソースのeラーニングシステム「iroha Board」~開発の背景とシステムの特徴~
オープンソースの学会向け会員管理システムとオープンソースビジネスの実践
JAIST 入試プレゼン資料
国際経営特論2015発表資料
国際開発特論2015発表資料
iroha Board 説明資料
iroha Note Cloud 説明資料
Ad

知識創造型学習支援システム iroha Compass の開発と研究活動への適用