5. 曲線のパラメータ表示
例えば,半径 1 の円 x2
+ y2
= 1 は以下のよ
うにパラメータ表示できる.
x = cos t, y = sin t
R2
上で F(x, y) = 0 で表される曲線を,
x = x(t), y = y(t)
とパラメータ表示すると,曲線は
C(t) = (x(t), y(t))
と書くことができる.
1
C(t) = (cos t, sin t)
O
x
y
−1
1
t
x
y
O C(t) = (t − sin t, 1 − cos t)
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6. 接ベクトル
点 C(t0) で曲線に接するベクトル(接ベクトル)は,C(t0) の一階微分で表される.パラメ
ータ t を時間と捉えると,
• 曲線 C(t) は時間に伴って動く点の軌跡
• 接ベクトル C (t0) は時刻 t = t0 における速度ベクトル
C (t0) = (x (t0), y (t0))
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7. 弧長パラメータ
曲線 C(t) の長さを計算すると,
s(t) =
t
0
|C (t)|dt
と書ける.この両辺を t で微分すると,
s (t) = |C (t)|
となるので,全ての t に関して C (t) 0 ならば s (t) > 0 なので,s は t の単調増加関数と
みなせる.実際,曲線 C(t) を時間 t に伴う動点の軌跡とみなすと,s(t) は動点が時刻 0 か
ら時刻 t までに描いた孤の長さ.
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41. 法曲率
法曲率
曲面 S 上の点 a に対して,a における単位法ベクトル n が定まる.曲面 S の a におけ
る任意の単位接ベクトル X をとる.このとき,X と n で定まる平面 P と曲面 S との
交わりとして,平面曲線 C が得られる.曲線 C = C(s) の弧長パラメータ s を s = s0 に
おいて
C(s0) = a
e1(s0) = X
e2(s0) = n
となるようにとる.このとき,曲線 C(s) の平面曲線としての曲率 κ(s0) を a における
X 方向の S の法曲率という.
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46. Weingarten 写像
第 1 基本量の行列 G =
E F
F G
と第 2 基本量の行列 H =
L M
M N
を用いると,平
面曲率と Gauss 曲率は,
H =
1
2
tr(HG−1
) (19)
K = det(HG−1
) (20)
と書ける.この行列 HG−1 を Weingarten 写像と呼ぶ.
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50. 局所座標
局所座標
位相空間 M の開集合 U と,U から Rn の開集合 O への同相写像
φ : U → O
の組 (U, φ) を M 上の n 次元局所座標という.
U 上のある点 P に対して,φ(P) は Rn の点なので,
φ(P) = (x1, . . . , xn)
と表すことができて,この座標によって点の位置を一意に決定できる.
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51. 座標変換
座標変換
位相空間 M 上の 2 つの n 次元局所座標 (U1, φ1),(U2, φ2) に対して,U1 ∩ U2 ∅ のとき,以下
の写像を座標変換と呼ぶ.
φ2 ◦ φ−1
1 : φ1(U1 ∩ U2) → φ2(U1 ∩ U2)
φi
φ−1
i φ−1
j
φj
M
Ui
Uj
φi(Ui)
Rn
φj ◦ φ−1
i
φj(Uj)
Rn
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53. Cr
級関数
Cr 級関数
多様体 (M, {(Uiφi)}) 上の関数 f : M → Rn が Cr 級関数であるとは,全ての局
所座標 (Ui, φi) に対して, f ◦ φ−1
i が Cr 級であることをいう.
M 上の全ての Cr 級関数からなる集合を Cr(M) と表す.
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54. 接ベクトル
接ベクトル
多様体 M 上の点 p に対し,Xp が p における接ベクトルであるとは,関数 f に
実数値 Xp(f) を対応させる写像
Xp : C∞
(M) → R
f → Xp(f)
であって,次の 2 つの条件を満たすもののことをいう:
1.(線形性)Xp(af + bg) = aXp(f) + bXp(g)
2. (Leibniz 即) Xp(fg) = Xp( f)g(P) + f(P)Xp(g)
ここで,f, g ∈ Cr(M),a, b ∈ R である.
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55. 接空間
接空間
多様体 M の点 p における接ベクトルの集合を TpM と書く.この Tp(M) に
(aXp + bYp)( f) aXp f + bYp f (Xp, Yp ∈ TpM, a, b ∈ R)
と和とスカラー倍を定めると,TpM は線形空間になり,これを接空間と呼ぶ.
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56. 接空間の基底
多様体 M 上の点 p と,点 p のまわりの局所座標 (U, φ) によって座標 (x1, . . . , xn)
が与えられている時,局所座標を通して見た p における xi 方向の偏微分を
∂
∂xi p
f
∂( f ◦ φ−1)
∂xi
(φ(p))
と定義すると, ∂
∂xi p
は微分作用になり,
∂
∂x1 p
, . . . ,
∂
∂xn p
は接空間 TpM の基底となる.
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57. ベクトル場
ベクトル場
多様体 M 上のベクトル場とは,M の各点 p に対して,TpM の要素である接
ベクトル Xp のうち,任意の f ∈ C∞(M) に対して X f : M → R が C∞ 級である
ものをいう.
基底を用いると,ベクトル場は局所的に
Xp =
n
i=1
ai(p)
∂
∂xi p
と書くことができる.
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61. Cr
級写像と微分写像
Cr
級写像
多様体 M から多様体 N への写像 f が以下を満足するとき,Cr
級写像であるという:
M の全ての局所座標 (U, φ) と N の全ての局所座標 (V, ψ) に対して ψ ◦ f ◦ φ−1
が Cr
級である.
微分写像
多様体 M から多様体 N への写像 f に対して,M の各点 p において線形写像
(d f)p : Xp ∈ TpM → Tf(p)N ∈ (d f)p(Xp)
を f の p における微分写像という.
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62. 接続
接続
多様体 M に対して,写像
: (X, Y) ∈ χ(M) × χ(M) → XY ∈ χ(M)
が以下の条件を満足するとき, を M 上の接続あるいは共変微分という:
•(C∞
(M)− 線形性) f X+gYZ = f XZ + g YZ ( f, g ∈ C∞
(M))
•(R− 線形性) X(aY + bZ) = a XY + b XZ (a, b ∈ R)
• (Leibniz 即) X( fY) = (X f)Y + f XY
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